2013年、スマートフォン(多機能携帯電話)を巡る大きなニュースを挙げるとするなら、やはりまずはNTTドコモ<9437>の「i Phone(アイフォン)」の取り扱い開始ではないだろうか。これまで幾度となく世間で「販売が開始されるのでは?」と言われていながら、なかなか現実のこととはならなかったNTTドコモによるi Phoneの販売、まさに「満を持して」開始されることとなった。
次に挙げるとするならば、パナソニック<6752>、そしてNECカシオモバイルコミュニケーションズのスマートフォン事業からの撤退だろう。NECカシオモバイルコミュニケーションズは、長年日本の携帯電話端末事業をリードし続けてきた存在であったが、市場にて急速な速度で進行するスマートフォンへのシフトチェンジの波に乗り遅れ、出荷台数が減少傾向を続けるなか、業績改善の見通しが立たないとの判断から、撤退に至った。
パナソニックもNECカシオモバイルコミュニケーションズ同様、これまで日本の携帯電話端末事業をリードし続けてきた企業だが、NTTドコモ向けのスマートフォン販売競争に出遅れたため販売不振に陥り、撤退に至った。
それら以外に挙げるとするならば、ソフトバンク<9984>による、アメリカ携帯電話大手スプリントの買収、そしてイー・アクセス<9427>とウィルコムの合併などだろうか。
そうした国内企業以外だと、アップルが今までのi Phoneの路線を引き継いだハイエンドのi Phone 5s、そしてミドルレンジのi Phone 5cを販売し、大きな話題となった。また韓国大手の電子製品メーカーのサムスン電子は、ボディを曲げることが可能なスマートフォン「GALAXY ROUND(ギャラクシーラウンド)」、そして腕時計型スマートフォン「GALAXY Gear(ギャラクシーギア)」などを販売し、こちらも注目を集めた。
先に挙げたように、パナソニックやNECカシオモバイルコミュニケーションズといった国内企業がスマートフォン事業への乗り遅れにより撤退を余儀なくされる一方、アップル、サムスン電子といったグローバル企業が国内のユーザーを獲得。しかし国内メーカーの多くが海外市場へ打って出て成功を収めているとは言い難い状況だ。こういった状況がどのように推移して行くのか、14年以降の動向に注目したい。(編集担当:滝川幸平)