子どもが言うことを聞かないときや、一人遊びをさせておきたいときに使う「子育てアプリ」が人気だ。一方で日本小児科医会が「スマホに子守をさせないで!」と題したキャンペーンを行うなど、「スマホで子守」には賛否両論が寄せられている。
スマホアプリのランキングサイト「アプリヴ」には、700件近い子育てアプリが登録されている。中でも高評価なのは、1日に12万人が利用する「鬼から電話」(メディアアクティブ株式会社)だ。子どもが「嘘をついた時」「歯磨きをしない時」といったシチュエーションごとに、鬼やお化けなどから「電話」がかかってくる仕組み。怖い顔の鬼が、アニメーションとともに「もしもし赤鬼です」「また言うこと聞かないんですか」などと話し始めると、「お子様への脅かし効果満点」という(同社サイトより)。利用者からは「子どもに効果てきめん」「ママ友の間でも評判です」との声が寄せられる。忙しい親たちにとって、こうしたアプリは育児の手助けとなっている。
一方、全国の小児科などで作る日本小児科医会は、このような「アプリ頼み」の育児に警鐘を鳴らす。「スマホに子守をさせないで!」と呼びかける啓発活動を開始し、イラスト付きのポスターを作成。「ムズがる赤ちゃんに子育てアプリの画面で応えることは、赤ちゃんの育ちをゆがめる可能性があります」などと呼びかけている。こうした説は科学的根拠に基づくものではないが、何となく共感する人も多いだろう。
「スマホ子守」対策をうたったアプリも登場している。株式会社ユニリングスは、自社の子ども向けセキュリティアプリ「ミマモール」の新機能として、スマホの利用時間が長すぎる場合に注意をうながす「遊びすぎアラート」を搭載。日本小児科医会のキャンペーンを支持し、「遊びすぎアラート」が「スマホ子守」対策の一助となるとしている。この機能にどれくらい「スマホ子守」対策効果があるのかは不明だが、育児中のスマホ利用が賛否両論を呼んでいるのは確かなようだ。(編集担当:北条かや)