13日に開催した「北米国際オートショー2014」にて、トヨタ自動車<7203>は2ドアタイプのスポーツカー「FT(Future Toyota)-1」を公開した。車体寸法は公開されていない。この「FT-1」だが現在市販される予定はなく、トヨタ自動車による「これからはスポーツカーに注力していく」という姿勢を、アメリカの消費者たちに強く印象づけたい狙いがあるようだ。
この「FT-1」は、アメリカ国内にあるデザイン部門が、競技用のレーシングカーをイメージして独自に開発したもので、車体寸法だけでなく、エンジンなどの性能も公開はしていない。この「FT-1」開発に携わった開発担当者によれば、「これからトヨタ自動車が進めようと考えているデザインを、余すことなく取り入れた」とのこと。
この「FT-1」はまだ商品化されるかどうかは未定だが、しかし関係者の中には、もしこの「FT-1」が商品化された時には、おおよそ10年前に生産が打ち切られたスポーツカー「スープラ」の後継車となり、パフォーマンスにより重きをおく富裕層などが購買層としてターゲットになるのではないかとの推測がなされている。
トヨタ自動車としては、こうしてコンセプトスポーツカーを発表することで、よりトヨタブランドの力を高めようとする戦略もあるようだ。
これまでトヨタ自動車の車には、信頼性はあるものの、そのデザインには「驚き」が少ないと自動車マニアたちから評価されてきていた。「まるで家電のように驚きの少ない車」そんな評価もあった。しかしトヨタ自動車としては、今回発表した「FT-1」には、そうした自動車マニアたちの心を躍動させるものがあると考えているようだ。
「北米国際オートショー2014」ではこれ以外に、本田技研工業(ホンダ)<7267>が米国高級車ブランド「アキュラ」の試作車を発表し、トヨタ自動車も高級車ブランド「レクサス」の新型高性能クーペを出展している。
そして北米で発売された最も優れた新型モデルに贈られる「北米カー・オブ・ザ・イヤー」も会場で発表され、ゼネラルモーターズ(GM)のスポーツカー「シボレー・コルベット・スティングレー」が選ばれた。(編集担当:滝川幸平)