脱原発への道。「節約」と「水力発電」がポイント

2014年01月28日 08:37

 都知事選の選挙活動も徐々にヒートアップしている。勝負の鍵は、浮動票をどれくらい動かせるかで決まると言われている。細川氏は、原子力発電をメインの争点に考えている。自民党議員を中心に、地方選挙にふさわしくないといった意見も聞こえてくるが、細川氏が原発を取り上げるならその他の立候補者も対応せざるをえないだろう。

 現在稼働している原子力発電は「0」だが、「自民党」と「東京電力」を中心とした電力各社は停止している原発を随時動かしていきたいというのが本音だ。

 2011年の原発事故前の電力計画案によると、将来の電力計画は原子力発電を増やしながら、自然エネルギーを微増していくという内容だった。原発事故前の原子力比率は40%だった。

 しかし、3.11の福島県の原発事故で、その目論見は崩れていった。一時、世論は脱原発が対多数の意見だったが、「電力会社の度重なる電気料金の値上げ」「自民党の原発必要論」などの影響なのか原発はやっぱり必要といった考えをする国民も増えてきた。また、原発に替わる、発電案が具体的に進まないことも理由の一つのかもしれない。
 
 NPO法人「地球村」、農林中金総合研究所、日本水土総合研究所などの機関からは具体的な脱原発の提案がでている。結論から言えば、「節電」と「水力発電」を大きく伸ばせば原発なしでやっていけるというものだ。原発なしでも日本は「成長できる・やっていける」という具体的な案だ。

 2011年の夏、原発が停止し、電力不足が懸念された。政府は東京電力管内の人々に15%の節電を要請した。その結果、要請を上回る18%の節電を達成した。日本全国で国民が電気の需要期には節電を意識することを心掛ければ、節電10%は簡単に達成できるはずだ。

 また、代替エネルギーとして注目されているのが「小水力発電」だ。大規模のダムなどを利用するのではなく、簡易な施設による小水力発電を地域に設置し、将来的な「エネルギーの地産地消」を行うという案だ。

 小水力発電は、平地農業地域・中山間地域など多くの地域で、枯渇を心配せず、365日季節を問わずフル活動できる電力だ。電気を作る環境が整っている地域は、自分たちで使用する分だけ作る。小水力発電は日本の電力の根幹を変えるかもしれない。

 「原発がなくても日本は成長できる」。小泉元首相の言葉は的を射ているような気がする。自民党は原発比率を下げると言っているが、果たしてそうだろうか――。このまま原発を維持し、場合によっては増やしていきたいというのが本音だろう。原発をどうするのか、考えるきっかけになりそうな都知事選。原発議論が活性化されることを願っている。(編集担当:久保友宏)