今週、日経平均が底を打って上昇すると判断できる根拠は3つある。一つは為替レート、一つはテクニカル指標、そして最後の一つは「逆アノマリー」である。
為替レートは前週、「円高が進みドル円が101円台をつけた」と騒がれたが、昨年の11~12月に朝方のドル円レートが101円台だった日の日経平均終値は、11月22日は15381円、11月25~27日は15449~15619円、12月6日は15299円だった。それを見るとドル円の101円台は日経平均が15000円を割り込んで当然の為替水準とまでは言えず、前週の日経平均は世界同時リスクオフへの過剰反応で下げすぎたと言ってもいいのではないか。
1月31日の日経平均終値14914円をテクニカル分析の指標に照らすと、26週移動平均線より120円上にあるが、25日移動平均線も75日移動平均線も割り込んでいる。ボリンジャーバンドは節目となる13週移動平均に対する-1σも25週移動平均に対する-2σもたった1日で割り込み、反転ポイントと解釈してもいい。ストキャスティクスは9日間のFast(%D)が22.67%で「売られすぎ」のシグナル。日足の一目均衡表ではトレンド転換の目安と言われる「雲」の中にある。
アノマリーと言うより言い伝えに近いが、兜町では昔から「節分天井、彼岸底」と言われてきた。その節分は今週月曜日の3日だが、今年は天井どころか、日経平均は昨年12月30日の大納会につけた昨年来高値16320円から1400円以上も下げた。1月6日の大発会の終値15908円と比べても1000円近い下落。それを天井だと言うなら、これから3月にかけて日経平均は奈落の底に突き落とされることになるが、このアノマリーは近年は当たらない、と言うより逆の結果「節分底、彼岸天井」になるほうが多くなっている。
「彼岸とは春の彼岸ではなく秋の彼岸のことだ」と言う人もいるが、春の彼岸と仮定して節分の2月3日(その日が土、日の場合はその前営業日)と彼岸の中日の春分の日(祝日)の前営業日の日経平均終値を比較すると、2004~2008年の5年間は3対2でアノマリー通りに下落した年のほうが多かった。しかしリーマンショック後の2009~2013年は4対1で上昇した年のほうが優勢。しかも唯一下落した2011年は節分と春の彼岸の間に東日本大震災の3月11日が入ったという特殊事情があった。今や、「節分天井、彼岸底」のアノマリーは完全にひっくり返ったと言って過言ではないだろう。「迷信」におびえる必要はない。むしろ「逆アノマリー」として「節分底」を歓迎していいのではないか。
ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは15000~15500円とみる。新興国発のリスクオフがおさまってECBが追加の金融緩和を実施すれば、もっと上にいくかもしれない。月が変わればツキも変わる、か?(編集担当:寺尾淳)