31日に経済産業省が発表した2013年12月の鉱工業生産指数の速報は、前月比1.1%アップの100.3であり、12年4月以来、とうとう100を超えることとなった。指数の改善は2ヶ月ぶり。汎用、生産用、業務用機械などのアメリカやアジアへの輸出が好調に伸長した。しかし先月に発表がなされていた生産予測指数には至らなかった。輸入数量が伸び悩んでいることが原因と見られている。
大企業を中心に聞く生産の先行き調査による生産予測指数は、1月が前年比6.1%プラス、2月が前月比0.3%プラスで、1月の伸長が極めて高くなった。自動車や電機などの最終消費関連の伸長が目立つことから、4月の消費税増税前の駆け込み需要により押し上げられている可能性がある。
12月の生産は15業種のうち13業種がプラスとなり、国内需要を中心に幅広い分野が堅調に推移した。なかでも一般機械類では輸出が好調で、数値制御ロボットや機械プレスなどが伸長した。そして国内向けでは公共工事などの橋りょうを中心に、金属製品工業が3.5%プラスとなった以外にも、スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末向けの液晶を含む電子部品・デバイス工業が1.7%プラスとなった。
ただし多くの業種が当初の生産予測よりも下ぶれしていることから、メーカーは消費税増税前の駆け込み需要を見越した在庫積み込みにはそれほど注力していないようだ。在庫指数は前月比で0.4%ダウンとなっている。出荷も前月比で0.6%プラスと、生産と比較するとそのプラス幅は小さい。アメリカ向け乗用車の出荷が寒波により低下したことも、そうしたプラス幅の伸び悩みに影響を及ぼしたようだ。
そして経済産業省が同日に発表した13年平均の鉱工業生産指数は、97.0と前年よりも0.8ポイントダウンした。12年はエコカー補助金の終了に伴う駆け込み需要により高水準であった上に、12年末にかけて生産が落ち込んだことも原因と見られる。13年は前月比で比較すると改善が続いたものの、前年の水準には至らなかった。
経済産業省は先行きの生産予測指数予測が高めであっても、足元の12月の伸びが1.1%と大きな伸長を見せていないことから、生産の基調判断を4ヶ月連続で「持ち直しの動きで推移」と据え置いた。 (編集担当:滝川幸平)