「東京圏」が膨らみ続けている。総務省がまとめた「住民基本台帳人口移動報告」によると、13年の転入者数が最も多かったのは東京都で40万7711人。前年比7473人(1.9%)増と、2年連続で増加した。
3大都市圏(東京圏・名古屋圏・大阪圏)の動向をみると、昨年は東京圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)だけが転入超過となった。東京圏の人口は数にして9万6524人、前年比2万9315人と大幅に増えている。震災の影響が一段落し景気回復の傾向が鮮明になってきたことで、企業の多い東京に人々が再び集まり始めた。長期的にみても東京圏は18年連続で人口が増えており、膨張を続けている。
一方で、大阪圏(大阪・兵庫・京都・奈良)は6591人、名古屋圏(愛知・岐阜・三重)は147人の転出超過となった。大阪圏と名古屋圏が転出超過となるのは3年ぶりだ。
都市部に人口が集中する傾向は強まっている。大阪圏の中では、大阪府のみが3377人のプラスとなった。兵庫県は5214人、京都府は1973人、奈良県は2781人のマイナスとなった。名古屋圏では愛知県だけが7891人のプラスとなった一方、岐阜県は4812人、三重県は3226人のマイナスとなった。
東日本大震災で被災した3県(岩手・宮城・福島)について見ると、3県の転出超過数合計は2975人で、前年に比べ7184人と大きく減少した。岩手と福島では引き続き転出人口が多くなり、宮城県は2年連続の転入超過となったものの、その水準は震災前に戻りつつある。福島県は5200人の転出超過で、震災発生前の10年(5752人)と同じレベルまで戻った。岩手県の転出超過数は2431人で、12年以降2年連続で3000人を下回っている。
日本全体でみると、転出超過となっているのは全国1310市町村と全体の76.2%を占めた。転出超過数の多い上位20市町村のうち、大阪府と北海道がそれぞれ4市ずつを占めている。(編集担当:北条かや)