1月の百貨店売上高は5600億円。3ヶ月連続プラス

2014年02月22日 11:14

 19日、日本百貨店協会が発表した1月の全国百貨店売上高は5600億円(全店ベース)で、既存店ベースで前年比2.9%アップと、3ヶ月連続でのプラスとなった。消費税増税を間近に控え、海外ブランドの高級時計や宝飾品などに駆け込み需要の傾向が発生しており、今回のこうした結果に繋がったとみられている。

 商品別に見てみると、高級時計などを含む美術・宝飾・貴金属が前年比22.6%アップ、また住宅市場の景気活発化を受けて家具が前年比11.4%アップと、2ヶ月連続での2ケタ伸長。また季節の冷え込みに伴い季節需要も上がり、主力商品である衣料品が初売りが終わった後も好調な売れ行きを見せた。

 海外ブランドなどを含む身の回り品も、店舗調整後で前年比6.1%アップ。これまで高級時計中心だった高額商品も、消費税増税前の結婚式の前倒しなどの影響により貴金属関連の商品も伸長しているという。そして海外ブランドの商品は円安の影響により随時値上げが行われており、今後もこうした値上がりが続くと予想した消費者による需要が発生しているとのこと。

 それ以外にもやはり増税前の住宅購入の前倒しの影響により、家具以外にも呉服や礼服などにも駆け込み需要の傾向が見られているという。こうした駆け込み需要の傾向を鑑みて百貨店側は、ひな人形と同時に五月人形を売り出すなど、前倒し需要の取り込みを図っている。

 2月は関東・甲信越地方を中心に二度の大雪に見舞われた影響により、関東の主要店の売上高は約3%ダウンで推移している。しかし2月後半から3月にかけて、増税前の駆け込み需要が本格化するとの見通しを持っており、3月まではプラス基調が続くのではないかと予想している。

 前回1997年4月に消費税が3%から5%に引き上げられた時、2月には0.5%ダウンだった百貨店売上高は、3月には23.0%アップと大きな伸長を見せた。しかし消費税増税後の4月には14.0%ダウン、5月には5.1%ダウンと、駆け込み需要の反動減が続き、結果97年通年で1.9%ダウンという結果となった。

 調査対象となった百貨店は85社・242店舗。東京地区は前年比5.4%アップと、6ヶ月連続でのプラスという結果だった。(編集担当:滝川幸平)