11月の百貨店売上高プラス ボーナス増期待で、消費マインド改善

2013年12月23日 17:12

日本百貨店協会が発表した、11月の百貨店売上高は5654億円で、前年同月比2.4%のプラスとなった。10月は例年にない暑さや台風で苦戦したが、11月は一転してプラスとなった。

先月は中旬以降に気温が冷え込み、コートなど冬物ファッションがよく売れた。また冬のボーナス増額への期待が高まるなど、消費マインドが全体的に回復しつつあるようだ。

来年4月の消費増税や、円安による将来の値上がりを見据え、今のうちに高額品を買っておこうとの駆け込み需要も多かった。ブランドバッグなどの「身のまわり品」は5.9%のプラス。高級時計や絵画などの「美術・宝飾・貴金属」が21%のプラスなど、高額商品がよく売れた。「美術・宝飾・貴金属」の売上高は15ヶ月連続で前年同月比を上回っており、富裕層の消費意欲は引き続き、旺盛のようだ。また、先月は前年に比べ、土曜日が1日増えたこともプラス要素となり、最終的には全国規模で売上高が回復した。

不振が続いている地方百貨店でも、5ヶ月ぶりに売上高が前年同月の水準をクリア。地方百貨店全体でみると、0.6%のプラスとなった。改装・増床効果のある全国10都市の3.4%増にはおよばないものの、九州地区は前年同月比2.5%、北海道と中国地区は2.1%、四国地区は1.9%の売上増となっている。

 商品別では、3か月ぶりに百貨店の主要品目すべてが、前年実績をクリアした。「雑貨」は13ヶ月連続、海外高級ブランド品を含む「身のまわり品」は4ヶ月連続、「家庭用品」は2ヶ月連続、「衣料品」と「食料品」が2か月ぶりのプラスとなっている。住宅関連の駆け込み需要などを背景に、「家具」もプラス7.4%と大きく伸びた。訪日外国人の消費も、引き続き好調だった。

 冬のボーナス支給を受け、百貨店各社の年末商戦が本格化している。出足はまずまずで、12月の売上高も前年実績をクリアしそうだ。今後は富裕層以外にも、高額消費が拡大していくだろう。(編集担当:北条かや)