【日経平均】様子見の薄商いでも69円高で5日ぶり反発

2014年03月04日 20:18

 アメリカのIT大手と提携しクラウドサービスを約6割安く提供と報じられた日立<6501>は8円高、NEC<6701>は売買高5位に入り3円高。しかし、電気自動車に無線で急速充電する技術を発表した東芝<6502>もシャープ<6753>も1円安に終わった。6年ぶりにベアを実施するパナソニック<6752>は売買代金7位、29円高と買われた。イーグル工業<6486>は東海東京証券が新規に「1(買い)」のレーティングをつけて121円高で値上がり率4位。ウエハー用研磨材のフジミインコーポレーテッド<5384>は82円高で値上がり率6位。東洋インキSCHD<4634>は、今期の営業利益は14%増の200億円、来期は230億円前後で2期連続最高益更新の業績見通しが出て17円高だった。

 星光PMC<4963>はこの日も100円高で昨年来高値を更新し値上がり率15位、売買高12位、売買代金でソフトバンク<9984>に次ぐ2位にランクインした。今期の営業利益見通しが11.9%増、5期連続最高益で野村證券が目標株価を引き上げたピジョン<7956>は25円高。武田薬品<4502>は高血圧治療薬「ブロプレス」の論文と広告の食い違い問題について「不適切だった」と長谷川閑史社長が認めて13円高。大正製薬HD<4581>はクレディスイスが投資判断を引き上げて350円高だった。

 売買代金10位のJT<2914>は41円安で6日続落。喫煙大国のロシアでJT系たばこ会社は約4割のシェアを占め、経済制裁が行われると影響は大きい。いま世界から注目のクリミア半島はたばこの産地で紙巻きたばこ発祥の地だという。サントリー食品<2587>はゴールドマンサックスが目標株価を引き上げたが10円安。その「お茶戦争」の相手の伊藤園<2593>は前日に5~1月期決算を発表し、11~1月の四半期は前年同期と比べ営業利益が53.3%、純利益が67.1%も減り通期計画未達の恐れもあり118円安、値下がり率5位と売られた。すき家が宣戦布告して始まった「牛鍋戦争」は、すき家、吉野家とも2月の既存店売上高はプラスでお互い〃戦果〃は上々でゼンショーHD<7550>は17円高、吉野家HD<9861>は15円高。こんな戦争なら人類は大いに歓迎だ。

 3月3日で「ひなまつり」だった前日、経済産業省と東証は「なでしこ銘柄」26銘柄を発表。新規採用のLIXILG<5938>は136円安で値下がり率8位だったが、カルビー<2229>は40円高、介護ビジネスのツクイ<2398>は21円高。新卒の応募者に2525円の受験料を求めたドワンゴ<3715>は厚生労働省から中止を求められ35円安。応募数が64%減少して効果はあったという。

 薄商いのこの日は「低位材料株」物色が目立ち、値上がり率10位以内には、1位に14円高で終値86円、売買高9位のティアック<6803>、2位に13円高で終値148円のピクセラ<6731>、8位に20円高で終値302円の大和小田急建設<1834>が入っていた。

 この日の主役は業種別騰落率でトップになった不動産セクター。住友不動産は売買代金13位に入り146円高、三菱地所<8802>は売買代金8位に入り53円高、三井不動産<8801>は63円高、東京建物<8804>は35円高。契約社員1人につき5000円のベアを決めた野村不動産HD<3231>は42円高。ケネディクス<4321>は売買高7位で14円高と7日ぶりに反発して終えた。一方で、北海道、首都圏で不動産事業、介護施設の運営を行う太平洋興発<8835>は売買高6位でも27円安で値下がり率1位に入り、リゾートトラスト<4681>は岩井コスモ証券がレーティングを引き下げて45円安など、不動産関連でもふるわなかった銘柄はあった。(編集担当:寺尾淳)