【今週の展望】日本株の「彼岸天井の物語」が始まる週か

2014年03月09日 20:28

 今週、3月第2週(3月10~14日)は5日間の取引。10日はロシアが「国際婦人デー」の振替休日で休場。プ-チン大統領言うところの〃自警団〃の皆さんもお休みか? ちなみにウクライナもこの日は休日。11日は東日本大震災から3周年で政府主催の追悼式が行われる。14日は3ヵ月に一度のメジャーSQの日で、先物もミニ先物もオプションも清算日。なお、日経平均採用225種は3月期決算企業が大多数なので、この日から26日の権利付き最終日までは、配当落ち分を差し引いた6月限の日経平均先物価格と日経平均現物指数の数字が大きくずれるので注意。

 国内の経済指標は、10日は1月の国際収支、10~12月期の国内総生産(GDP)改定値、2月の景気ウォッチャー調査、11日は2月のマネーストック、2月の工作機械受注速報値、12日は1月の第三次産業活動指数、1~3月期の法人企業景気予測調査、2月の国内企業物価指数、消費者態度指数、13日は1月の機械受注、14日は1月の鉱工業生産指数確報値・稼働率指数が発表される。

 10~11日は日銀の金融政策決定会合が開かれ、11日の午後3時30分から黒田日銀総裁が記者会見を行う。消費増税前にタマのムダ撃ちはしないという見方が多いが、また日銀の業務の重箱の隅をほじくって何か出してくるのか。10日は気象庁からエルニーニョ監視速報が発表される。冷夏になると個人消費への影響はけっこう大きい。12日は安倍内閣も期待する春闘の一斉回答日。14日は2月17~18日に開催された日銀金融政策決定会合の議事要旨が発表される。

 主要企業の決算は、10日は学情<2301>、ポールトゥウィン・ピットクルーHD<3657>、ドクターシーラボ<4924>、萩原工業<7856>、菱洋エレクトロ<8068>、12日は菊池製作所<3444>、神島化学工業<4026>、イハラケミカル<4989>、三井ハイテ<6966>、13日はテンポスバスターズ<2751>、イーブックイニシアティブジャパン<3658>、フリービット<3843>、ACCESS<4813>、TASAKI<7968>、アルデプロ<8925>、明豊エンタープライズ<8927>、東京ドーム<9681>、14日はメガネスーパー<3318>、稲葉製作所<3421>、エイチーム<3662>、ナイガイ<8013>、シーイーシー<9692>、精養軒<9734>、丹青社<9743>が発表する。

 新規IPOは今週3件ある。12日は日本BS放送(BS11)<9414>が東証2部に新規上場する。東京が本社でBS11チャンネルで現在放送中の放送事業者。公開価格は1820円。同じ12日にエンバイオHD<6092>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で土壌汚染対策事業やそれに関連する機器・資材の販売を手がけている。公開価格は580円。13日はダイキョーニシカワ(DNS)<4246>が東証1部に新規上場する。広島県安芸郡坂町が本社で自動車樹脂部品の製造、販売を手がけている。公開価格は1600円。

 海外の経済指標は、10日はフランスの1月の鉱工業生産、11日はドイツの1月の貿易・経常収支、英国の1月の鉱工業生産、アメリカの1月の卸売在庫・卸売売上高、12日は英国の1月の貿易収支、ユーロ圏の1月の鉱工業生産、アメリカの2月の財政収支、13日は中国の2月の都市部固定資産投資、小売売上高、鉱工業生産、フランスの2月の消費者物価、アメリカの2月の小売売上高、輸入物価、1月の企業在庫、14日はドイツの2月の消費者物価確報値、アメリカの2月の卸売物価、3月のミシガン大学消費者信頼感指数が発表される。10日はユーロ圏財務相理事会が開かれる。

 アメリカ主要企業の決算は、10日はアーバン・アウトフィッターズ、13日はダラー・ゼネラルが発表する予定。

 4勝1敗で433円上昇した前週は、前々週の2月26~28日にNYダウが3日続伸、日経平均が3日続落して日本株が一人負けした「売られすぎ」の修正局面だった。そんな週をハッピーに締めくくったのがアメリカの2月の雇用統計で、失業率は6.7%で前月比で0.1ポイント悪化したものの、大寒波の影響で10万人割れもありうると思われた非農業部門雇用者数は前月比17.5万人増で市場予測の15万人増を上回り、ポジティブサプライズと言ってもよかった。日本時間で8日朝までにドル円は103円台前半、ユーロ円は143円台前半へ円安が急進し、今年になってから日本株を振り回し続けてきた外部環境は好転している。

 そのため今週のテーマは「日経平均はどこまで上値追いができるか?」になりそうだ。それは言い換えれば「『売られすぎ』の状態から修正された日本株は、次はどれぐらいの水準を目指せるか?」ということになる。

 そこで注目したいテクニカル要素が「日経平均÷NYダウ」の「NN倍率」である。それぞれ単位は日本円と米ドルで異なるが、それは無視するお約束。NN倍率については「為替レートを完全に無視している」と批判する人が多いが、あえてとりあげた。