アサヒ、ミャンマーで現地企業と合弁会社を設立

2014年03月10日 08:26

 7日、アサヒグループホールディングス<2502>は、ミャンマーの現地企業と合弁会社を設立することで合意したと発表。アサヒグループホールディングスが約23億円、51%の出資を行う。ミャンマーにおける消費市場拡大に伴い、現地にて早急にアサヒブランドの浸透を図る狙いがあるようだ。

 ミャンマーではアサヒグループホールディングス以外にも、米コカ・コーラが2012年の秋に約60年ぶりとなる市場参入を行っているほか、デンマーク・カールスバーグも年内にビール工場を稼働させる計画がある。「新興メコン」と呼ばれる、メコン川流域のミャンマー、カンボジア、ラオスなどでは1人あたりの国内総生産(GDP)が高まるにつれ、その消費市場に世界の企業が関心を寄せ始めている。

 アサヒグループホールディングスは6月までに、ミャンマーの飲料大手企業と清涼飲料の製造・販売会社を設立し、炭酸飲料などの製造・販売を開始する予定。アサヒブランドの商品展開も検討されており、18年までに年間売上高100億円を目指す。

 アサヒグループホールディングスと合弁会社を設立する現地企業はロイヘイン(LH社)で、ミャンマーで清涼飲料などを販売する国内大手3社のうちの1社だ。アサヒグループホールディングスはこのロイヘインのブランドや流通網などを活用しつつ、さらにそこに自社の商品開発力などを加えることで、事業の強化を図る。

 日本の総合酒類・飲料企業によるミャンマー進出は、今回が初めてのこととなる。アサヒグループホールディングス以外にも、キリンホールディングス<2503>などが事業展開に意欲を示しており、同地における日本企業の進出は今後さらに続く可能性がある。

 ミャンマーにおける年間1人あたりの飲料消費量(飲料水を除く)は2リットル程度ではあるものの、アサヒグループホールディングスは中長期的に大きな市場に成長する見込みがあるとの考えを持っている。

 またアサヒグループホールディングスは、15年までに東南アジアで1000億円規模の売上高を目標として掲げており、今後も新規のM&Aや、海外ネットワークを活用した新規事業の展開を図るとの方針を示している。(編集担当:滝川幸平)