NHKの籾井勝人会長が理事全員から日付欄空白の辞表を入手していた問題が12日の参院予算委員会で改めて取り上げられた。籾井会長は「ことのスタートにあたって、役員各氏に緊張感を持って一緒にやって頂きたいとの思いから出してもらった」。また「わたしのマネジメント(の視点から)出してもらった。これを濫用するということは決して言っていない」と説明。辞表を入手することで優位な位置からマネジメントを考えたことをうかがわせた。民主党の小川敏夫議員の質問に答えた。
また、小川議員が「理事が辞表を書いた時、(理事の辞職に)経営委員会の同意が必要か」と質した。これに籾井会長は「理事が辞表を書いた時には(経営委員会の同意は)いらない。私が罷免するときには経営委員会の承認がいる」と答え、辞表を押さえられていることが理事にプレッシャーになることを浮き彫りにした。
小川議員は放送法55条の2項で「会長は理事の任命権を持っているが、自由に罷免できるわけではない」旨を定めているとし、「本来、理事を罷免するためには経営委員会の判断を得なければいけないところ、籾井会長は理事からあらかじめ辞表をとって、経営委員会の判断なしにクビにできる状態をつくった。これは放送法違反」と厳しく追及。籾井会長の会長としての資質を問題視した。
小川議員は「このような方を会長として迎え入れていることは国民のひとりとしても誠に恥ずかしい」と糾弾した。(編集担当:森高龍二)