4月以降、牛丼大手3社の価格はバラバラに

2014年03月23日 23:04

 18日、大手牛丼チェーンの松屋フーズ<9887>は消費税増税が実施される4月1日以降、「牛めし並盛」を280円から290円に引き上げると発表を行った。これにより、牛丼大手3社の消費税増税後の「牛丼並盛」の価格がすべて出そろった。「すき家」を運営するゼンショーホールディングス<7550>は従来の価格から10円引き下げて270円、「吉野家」を運営する吉野家ホールディングス<9861>は原材料の高騰も踏まえて、従来の価格より20円引き上げて300円とするとの発表を行っている。

 これまで「牛丼並盛」に関しては大手3社ともに280円で横並びを続けてきていたが、消費税増税を境に、その価格方針が分かれることとなった。

 3社のうち、一番最後の発表となった松屋フーズが運営する「松屋」は、「牛めし並盛」を従来の280円から10円引き上げて290円とする。新しい価格は4月1日午後3時より実施される。しかしその一方、味噌汁の無料サービスは継続し、また「カルビ焼肉定食」や「豚バラ焼肉定食」「カルビ焼牛めし」などは本体価格を値下げすることで、税込み価格を据え置きとした。

 ゼンショーホールディングスが運営する「すき家」は、大手3社のうちで唯一、値下げを行う。消費者マインドの落ち込みが予想される消費税増税時にあえて10円値下げを行うことで、集客力を高めたい考えがあるようだ。「すき家」の価格は270円であり、「松屋」の290円や「吉野家」の300円と比較すると、20~30円の価格差が生じることとなる。

 ゼンショーホールディングスは「すき家」以外にも、ファミリーレストラン「ココス」や回転すし店の「はま寿司」といった飲食店も手掛けており、消費税増税後の値下げにより仮に「すき家」が苦戦を強いられることとなったとしても、他の部分でそのマイナスを補うことの出来る強みがある。

 これまで幾度となく価格競争を繰り広げてきて、「デフレの象徴」とも言われる牛丼店にて、消費税増税をきっかけに価格横並びの形が崩れることとなった。4月1日以降、こうして新しい価格を設定した3社それぞれの売上がどのように推移するか、消費税増税後の消費動向を占う意味でも関心が高まっている。(編集担当:滝川幸平)