電通によると、13年のテレビ広告費は1兆7913億円で、前年比100.9%と増加した。景気改善により、2年連続のプラスとなった。昨年は特に、番組の合間に流す「スポットCM」が好調だったようだ。NISA関連など「金融・保険」や「不動産・住宅設備」、ビールなど「飲料・嗜好品」といった業種で出稿が増えたというが、昨年最もテレビでよく目にしたのは、auやソフトバンクなど通信キャリアのCMではないだろうか。
株式会社ビデオリサーチが、13年のテレビCMの出演時間(出稿秒数)をタレント別にランキング化したところ、1位は「剛力彩芽」、2位「上戸彩」、3位「井川遥」、4位「大島優子」、5位「武井咲」となった。6位以下は「森三中」、「高田純次」、「島崎遥香」、「役所広司」、「佐々木希」の順だ。昨年最もよくテレビCMで見かけた「顔」は、剛力彩芽ということになる。彼女の出演する、ヤマザキパンやauのCMを覚えている人は多いだろう。2位の上戸彩はソフトバンクモバイルやアサヒの「クリアアサヒ」など、多数出演したが、剛力彩芽の露出量には敵わなかった(調査結果は関東地区のもの)。
出稿秒数トップ10に入ったタレントの主な出演CMを見ると、1位の剛力彩芽は「ケイディーディーアイ」、2位の上戸彩は「ソフトバンクモバイル」、3位の井川遥は「KDDI auスマートバリュー」、4位の大島優子は「NTTドコモ 応援学割」、5位の武井咲が「イオン」となっている。5位の武井咲(イオン)と8位の役所広司(ダイハツ MOVE)以外は全員、携帯キャリア関連だ。
昨年はドコモがiPhoneの取り扱いを開始、ソフトバンクがauの「スマートバリュー」に対抗し、光回線とスマホのセット割引を新たに導入するなど、通信キャリア間の顧客獲得競争は激化している。テレビCMの出稿秒数が多いタレント、トップ10のうち、実に8人が携帯電話関連であるのも納得がいくだろう。(編集担当:北条かや)