矢野経済研究所は国内のペットビジネスの調査を実施した。それによると、2013年度のペット関連総市場規模は、前年度比1.4%増の1兆4233億円の見込みである。
この調査は、調査期間は13年10月~2014年2月。ペットフードやペット用品のメーカー、卸企業、小売企業、および関連団体等を調査対象とした。調査方法は、同社専門研究員による直接面談、電話・FAX によるヒアリングおよび文献調査を併用した。
ここでいうペットとは犬や猫を中心にペットショップ等にて販売されるペットを対象とした。ペット関連総市場とは、ペットフードやペット用品、その他ペット関連産業(生体やペット美容室、ペット医療、ペット保険、ペットホテルなどの各種サービス)を対象とした。
12年度のペット関連総市場規模は、前年度比0.7%の増の1兆4133億円(小売金額ベース)となり、微増で推移した。12年度は、引き続きペットフードがキャットカテゴリーの成長で増加し、ペット用品は伸び率が鈍化したものの堅調であった。13年度も2012年度と同様に推移しており、2013年度の同市場規模を前年度比1.4%の1兆4233億円と見込んでいる。
12年度のペットフード及びペット用品市場規模6920億円(小売金額ベース)のうち、インターネット通販チャネルの占める構成比は13.9%となった。リアル店舗においては取り扱いが難しい大型商品や大袋フードなどの重量が重い商品を始め、頻繁に買う消耗品、取り扱う店舗が少ないニッチな商品などはインターネット通販の利用に適しているとされるとした。
さらに、店頭に足を運ぶことなく、欲しい商品が購入できるというメリットによって高齢者の利用が増えれば、インターネット通販は今後さらに拡大していくと考えている。
また、ペットの室内飼育化の進行でトイレ周り用品が、健康意識の高まりでデンタルケア用品が拡大しているという。ペット美容やペット医療、ペット保険などの身だしなみや健康配慮に関わるサービスも拡大基調にある。今後は、高齢ペット向けビジネスの広がりが注目されているとした。
これから訪れる高齢化社会では矢野総研の予測通り、ますますペットビジネスが拡大するだろう。高齢者にとってペットは、単なる癒しや寂しさを紛らわすだけではなく、自分の子供とおなじような存在になることが多いからだ。(編集担当:慶尾六郎)