今年の新社会人のキーワードは「素直で真面目」?

2014年03月30日 18:25

新卒

インタビューを終えて帰路につく初々しい、新社会人4名

 文部科学省と厚生労働省は今月18日、今年3月の大学卒業予定者の就職内定状況を共同調査し、2月1日現在、82.9%と前年より1.2ポイント増加したことを発表した。3年連続で内定率は回復傾向を見せているものの、リーマンショック前の2008年の水準、88.7%にはまだ及ばない状況だ。

 4月から消費税が5%から8%へと改定される、ある意味歴史的な変換の時に、社会へデビューする若者の今のリアルな考えとはどんなものだろうか。

 どの業界でも増税前の駆け込み需要の反動が出るのが、増税後であることは間違いないだろう。特に高額商品であり、多くの人にとっては一生に一度の買い物になる住宅関連業界については、13年9月末までに契約すれば、引渡しが4月以降にずれこんでも税率は5%が適用される特例により、すでに昨年10月以降その反動が始まり今もなお続いている。そんな中、あえてその業界に4月から入社する新社会人の生の声を聞く機会を得た。インタビューを行ったのは、住宅メーカーであるアキュラホームへの就職が決定している、男女各2名の4名だ。

 4人に住宅関連業界への入社動機について尋ねてみた。千葉県出身のKさん(女性)は、大学でデザインを専攻しており、家をデザインし、その後にそこに住む人たちのライフデザインにまで携りたいという。大阪府出身のSさん(女性)は、高校の家庭科で、「マイホームを作ろう」という課題があり、そこで実際にミニチュア模型を作成し、先生に褒められたことがきっかけで、大学では建築を学んだという。だから最初から住宅業界に絞った就活をしたということだ。

 栃木県出身Mさん(男性)は人の役に立ちたいと教員を目指すものの挫折し、一番人の役に立てるのは、人の暮らしの基本となる家に関わる仕事、つまり住宅メーカーだという結論に至ったという。東京都出身のTさん(男性)は、幼い頃に同級生の家が建築される過程をつぶさに見て、家を造る仕事に携わりたいと思ったそうだ。4人ともそれぞれの志を持って、この業界にやってきたわけである。

 就活についても、4人の場合はさほど厳しさを感じなかったという。彼らはそういう意味では恵まれていたのかもしれない。ゆっくりではあるが、就職前線は一時期の過酷すぎる状況からは脱しているのではないだろうか。

 ところで筆者が新入社員だったのは、かれこれ30年前だが、その時代と比べると今の若者は、もちろん公なインタビューなので本音はまた別にあるのだろうが、それを差し引いても実に素直で真面目。人柄の良さを感じた。まずはお客様から信頼されなくてはいけない仕事なので「人柄の良さ」というものは重要だと思う。彼らの新しい門出を祝福したい。(編集担当:久保田雄城)