【今週の振返り】権利確定イベントを通過し471円上昇した週

2014年03月29日 20:04

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中国PMIの悪化にも負けず、27日は配当落ちを即日埋めて、TOPIXは週間全勝の強さは本物か?

 3月期決算銘柄の権利付き最終売買日を迎えた日経平均は97.81円高の14521.00円で始まり、午前9時4分には14569円まで上昇。しかし14500円台は9時40分頃まで。急落して14500円を割り、さらにマイナス圏に沈み10時21分に14406円まで下げる。中国市場が底堅く始まり短時間でプラスに戻すが、上値は追えず14400円台でくすぶり前引は14456円だった。

 後場もマイナス圏には落ちないが、おおむね14440~14480円の40円幅での小動きが延々と続く。異変が起きたのが2時台前半で、いきなりマイナスまで凹むがすぐV字回復して元のレンジに戻る。終値は53.97円高の14477.16円と反発したが、この日も14500円台に乗せられなかった。日中値幅は168円。TOPIXは+8.37の1172.07だった。売買高は24億株、売買代金は2兆3599億円で、権利付き最終売買日でも前日より少なかった。

 値上がりセクター上位は保険、機械、精密機器、非鉄金属、食料品、その他製品など。値下がりセクター下位は水産・農林、その他金融、情報・通信、倉庫、陸運、空運など。

 26日のNYダウは98ドル安と反落。耐久財受注が市場予想を上回り午前中の株価は上昇したが、オバマ大統領がロシア経済の生命線と言えるエネルギー産業対象の制裁をEUと検討と伝わるとマイナス圏に沈んだ。オンラインゲーム関連の新規IPOが上場初日から急落し、フェイスブックはバーチャル映像の企業の買収が財務懸念を呼び6.6%下落。アップルやグーグルも軟調。27日朝方の為替レートは、ドル円が102円近辺、ユーロ円が140円台後半で、前日より円高が進んだ。

 外部環境が良くない中で迎えた「権利配当落ち日」の日経平均は171.49円安の14305.67円で始まる。日経平均の配当落ちは102円、TOPIXのそれは10.8ポイントと推計された。日経平均はすぐ14200円台に下落しTOPIXも下げ幅拡大。9時32分の14227円が底で、午前10時直前には14300円まで戻し10時台、11時台は14300円を軸に上下30円の値幅でマイナス圏でのもみあいになる。前場の最高値は10時5分の14327円で、前引は14308円だった。

 後場は前場の状況そのまま14300円近辺で始まるが、約10分後から為替の円安の追い風を受けていきなりの急騰開始。午後1時すぎにはプラス圏に浮上。さらに14500円も200日移動平均線も一気に突破する。しかしその間もTOPIXはマイナスで先物主導に変わりない。1時13分に14563円まで上げた後はマイナスになりかけては戻しプラス圏の14500円を少しオーバーする水準の値動き。2時6分に14600円にタッチしても一時的だったが、2時50分過ぎに14600円を突破してさらに上昇。一時14650円を上回って14659円をマークし、終値は145.73円高の14622.89円で、配当落ちのハンデを完全に埋めきった上に3ケタ高と強さを見せつけ続伸。実質新年度入りの東京市場の今後に明るい希望を抱かせる権利配当落ち日となった。前場は100円の日中値幅は432円に急拡大。ほとんどの時間マイナスだったTOPIXも終盤プラスに転じ+4.83の1176.90で4日続伸。売買高は25億株、売買代金は2兆4748億円だった。

 値上がり上位は小売、精密機器、電気・ガス、ガラス・土石、倉庫、鉄鋼など。値下がり下位は証券、保険、その他金融、石油・石炭、卸売、情報・通信などだった。