インフラ輸出関連では、JR東日本<9020>が英国の総額7兆2400億円の高速鉄道プロジェクト「HS2」のコンサルティング契約を締結して88円高。2026年にロンドン・バーミンガム間でまず開業する計画という。 カネコ種苗<1376>は6~2月期の営業利益3.3倍、純利益2.9倍という好業績で6円高。USEN<4842>が9~2月期の決算を発表し営業利益21.6%増と好調で43円高。店舗ディスプレイの乃村工藝社<9716>は2月期の経常利益が6年ぶりの最高益という日経新聞の業績観測で23円高になった。
セブン&アイHD<3382>は前日に2月期本決算を発表し、営業利益は14.9%増の3396億円で小売業で初の3000億円を突破し過去最高益を更新した。セブンイレブンの売上33%増が大きく貢献。今期見通しは営業利益4.8%増の3560億円で連続最高益更新の見通しだが市場予測は下回り、49円安で3日ぶりに反落した。ユニーGHD<8270>は2月期決算見通しの営業利益を311億円から253億円に下方修正し14円安。販売費や光熱費の負担増で粗利益率が悪化している。
この日、安倍内閣は建設業への外国人受け入れ拡大の緊急措置を決定。低位の建設株に買いが入り、値上がり率ランキングでは1位に16円高で年初来高値更新の不動テトラ<1813>、2位に18円高の戸田工業<4100>、7位に71円高の応用地質<9755>が入った。売買高ランキングでは2位に不動テトラ、3位に4円高の三井住友建設<1821>が入り、熊谷組<1861>は4円高、大豊建設<1822>は11円高、福田組<1899>は19円高。人材派遣でもテンプHD<2181>が123円高で値上がり率15位、フルキャストHD<4848>が12円高で同16位と買われ、建設業派遣で実績のある夢真HD<2362>は24円高だった。
日本通信<9424>は話題のイオン<8267>の格安スマホが発売されたが、後場急落して60円安で14.12%下落。イオンも3円安。モバイル新興勢力の登場でNTTドコモ<9437>は6円安、KDDIは112円安、ソフトバンクは219円安と揃って下落し、情報・通信セクターは業種別騰落率最下位になった。
この日の主役は業種別騰落率1位の不動産と同2位のその他金融の「金利敏感株」。続伸中の不動産大手の三井不動産<8801>は76円高で売買代金3位、三菱地所<8802>は49円高で同8位、住友不動産は123円高で同4位に入った。ケネディクス<4321>は20円高で5.59%上昇し値上がり率5位、売買高4位、売買代金10位。ノンバンクではオリックス<8591>が21円高で6日続伸し、クレディセゾン<8253>が50円高で3日続伸。アプラスF<8581>が6円高で値上がり率12位。アコム<8572>は13円高、アイフル<8515>は10円高だった。
来週の日銀金融政策決定会合で追加緩和策が出ると見込んでの思惑買いだが、日銀会合は4月30日にもあり、消費増税後の景気動向がわかる経済指標が出るのは景気ウォッチャー調査を除けば5月末頃なので、今回、追加緩和を行う可能性は決して大きくない。それでもイベントの前には、あおるだけあおって結果が出なければ売り逃げする「イベントドリブン」と呼ばれる勢力が出現する。3月の日銀会合の時も現れたが、それも自由な株式市場に咲く花のひとつ。花の色も皆々異なれども、面白しと見る心は同じ花なり。(編集担当:寺尾淳)