NTTデータが世界最高解像度の地球観測衛星画像を提供

2014年04月05日 19:47

 地球を観測するため人工衛星から地球を撮影する高分解能衛星画像は、防災、国土管理、都市計画、インフラ管理、農林、放送・メディアなどに多くの分野で活用が拡がっている。また、国内における地理空間情報の活用マーケットは、地理空間情報活用推進基本法に基づく、地理空間情報の整備ならびにインターネットを通じた提供、スマートフォンの普及に伴う位置情報サービスの拡大、準天頂衛星システムの実用化に向けた取り組みなどが進み、年々、拡大の傾向にある。

 NTTデータ<9613>は1日、米国DigitalGlobe社と日本国内の公共・民間分野を対象とする総代理店契約を締結したと発表した。この契約にもとづきNTTデータはNTT空間情報株式会社と共同で、2014年4月より公共・民間分野向けに米国DigitalGlobe社が保有する最高50cm地上解像度の衛星画像を活用した衛星画像提供サービスを開始する。

 このサービスは、最大5つの衛星を統合的に運用する「撮影サービス」と、1999年より撮影されている蓄積画像を提供する「アーカイブ画像サービス」、および付加価値のある情報コンテンツへ加工して提供する「付加価値サービス」からなる。また、クラウドサービスや地理情報システム(GIS)などのICTサービスと組み合せることで、自然災害への対応、アセットマネジメント、都市計画、農地管理、森林管理の分野など、さまざまな用途に活用できることが特長だ。

 米国DigitalGlobeは高分解能の地球観測衛星を5機(IKONOS、QuickBird、WorldView-1、WorldView-2、GeoEye-1)保有。それら、5機の衛星の統合的な運用による撮影能力は、1日に日本の国土の約8倍となる300万km2もの面積が撮影可能。また、衛星のうちWorldView-1、WorldView-2、GeoEye-1の3機の衛星画像の地上解像度は50cmであり、航空写真に匹敵する解像度だ。これは、建物から車一台一台まで判別ができるレベルであり、都市計画の分野での活用が見込まれるという。

 これまでNTTデータとNTT空間情報では、さまざまな分野で地球観測衛星画像を活用した地理空間情報サービスの提供を実施してきた。12年11月より、米国の商用高分解能衛星画像の提供機関が、DigitalGlobe1社に統合し供給されたことを契機に、同社の衛星画像を活用したサービスの実施検討を進め、このたび日本国内における公共・民間分野の総代理店契約の締結にいたったもの。

 衛星画像に、NTTデータの衛星画像処理技術とNTT空間情報の電子地図を組み合わせ加工することにより、都市などの高精細3次元地図や精度の高い土地利用の変遷地図などの付加価値のある地図情報コンテンツを提供する。価格は1km2あたり2800円から。両社は16年度までの累積で50億円の売り上げを目指す。(編集担当:慶尾六郎)