【日経平均】売買は今年最低でも98円高で14500円台乗せ

2014年04月18日 20:24

 イースター休暇の3連休前の17日のNYダウは16ドル安で4日ぶりに反落したがNASDAQは9ポイント高で終えた。決算で前日の東京市場を冷やしたグーグルは3.7%、IBMは3.3%下落したが、この日が決算発表のGEは1.7%、ゴールドマンサックスは0.1%の上昇。ともに1株あたり利益が市場予測を上回った。新規失業保険申請件数の改善、武装解除と事態沈静化を呼びかけたロシア、ウクライナ、アメリカ、EUの外相級4者協議の結果も含め強弱材料が入り交じり前日終値近辺で終日もみあった結果のマイナスで、地合いは決して悪くない。18日朝方の為替レートはドル円が102円台半ば、ユーロ円が141円台半ばで円安が進行していた。

 シカゴCME先物清算値は14495円。取引時間前の外資系証券の売買注文動向は売り越しでも復活祭の連休中で注文自体少ない。日経平均は71.84円高の14489.37円で始まった。しかし14500円にもCME清算値にも届かず14400円台後半でくすぶる。NYダウの反落に加え、内閣府の月例経済報告で景気の基調判断を1年5ヵ月ぶりに下方修正した影響も考えられた。それを一変させたのがまたもや「要人発言」。麻生財務大臣が国会で「GPIF改革を6月の成長戦略改訂版に含める」と答弁すると為替は円安に振れ、日経平均はCME清算値も14500円も25日移動平均の14505円も前週の下落分の半値戻しライン14511円も一気にゴボウ抜きし、10時7分には14536円まで上昇した。その後はおおむね14500円を超える水準で推移して、前引は14504円だった。

 後場は再開早々に14500円を割り込み、午後0時49分に14442円まで下落する。香港は聖金曜日で休場だが上海市場が軟調だったのと、為替の円安が一服したのが背景。14460~14490円の狭いレンジで上下に動き、超薄商いでエネルギーが枯渇したのか、だんだん振幅が小さくなる。2時20分頃から三角もちあい上放れし14500円にタッチしても長く続かない。それでも大引け間際の急伸で再度14500円を超え、98.74円高の14516.27円で3勝2敗、前週末11日の終値から556.22円上昇し、前週の下落分の「半値戻し」を達成して今週の取引を終えた。14500円台回復は8営業日ぶり。日中値幅は94円だった。TOPIXは+6.78の1173.37で4日続伸。売買高は12億株、売買代金は1兆1502億円でともに今年最低を記録。東京市場の売買の約6割を占める海外勢が聖金曜日でこんなに休むとは、みんなそんなに信心深いのだろうか。

 東証1部の値上がり銘柄は1150で全体の63%を占め、値下がり銘柄は486。33業種別騰落率はプラスが30業種、マイナスがパルプ・紙、海運、陸運の3業種。プラス上位は金属製品、その他金融、ゴム製品、鉱業、サービス、保険など。プラス下位は水産・農林、銀行、卸売などだった。

 日経平均採用225種は値上がり164銘柄、値下がり44銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+10円、2位はダイキン<6367>で+5円。マイナス寄与度1位はホンダ<7267>で-2円、2位はオリンパス<7733>で-1円だった。

 メガバンクはみずほ<8411>1円安、三菱UFJ<8306>1円高、三井住友FG<8316>9円高とまちまち。証券業界のトップを切って2時に3月期本決算を発表した光世証券<8617>は経常利益が38.5%減、1~3月期は経常赤字で発表直後に急落し3円安。野村HD<8604>は1円安。大和証券G<8601>はJPX<8697>とミャンマーの証券取引所に出資するニュースがあり4円高。JPXは33円高。自動車大手は高安まちまちで、トヨタ<7203>は52円高、2期連続最高益見通しが伝わったマツダ<7261>は2円高だったが、ホンダが32円安と悪く、日産<7201>が3円安、スズキ<7269>が8円安になっていた。

 電機大手は揃ってプラスで、ソニー<6758>は24円高、2期連続最高益の見通しが伝わった日立<6501>は7円高、東芝<6502>は6円高、パナソニック<6752>は5円高、シャープ<6753>は4円高、NEC<6701>は1円高。カシオ計算機<6952>は樫尾和雄社長のインタビュー記事で2016年3月期に売上高4000億円以上、営業利益600億円規模を目指すという景気のいい発言が好感され58円高になった。ダイキンは新興国需要堅調を背景に今週5日続伸し131円の大幅高。一方で通信大手で「四天王」の一角のソフトバンク<9984>は18円高、KDDI<9433>は8円高とおとなしかった。ヒロセ電機<6806>はクレディスイスがレーティングを引き上げ490円高だったが、東光高岳HD<6617>は3月期の営業利益を下方修正し126円安で値下がり率2位に甘んじた。