【日経平均】安倍・黒田会談はお昼の幕間劇でも86円高

2014年04月15日 20:32

 週明け14日のNYダウは146ドル高と3営業日ぶりに反発。続落から救ったのは自動車販売が好調で前月比1.1%増と大きく伸びた3月の小売売上高と、純利益4%増で市場予測を上回ったシティGの決算だった。シティGは4.4%上昇。ウクライナ情勢の影響で原油価格などが上昇し資源関連株も買われていた。しかし翌日のグーグルの決算発表待ちもあってNASDAQは一時マイナスになり結局22ポイントの小幅反発にとどまった。15日朝方の為替レートは、ドル円は101円台後半、ユーロ円は140円台後半で、前日よりも若干の円安に振れていた。

 シカゴCME先物清算値は14090円。外部要因が少し好転しても取引時間前の外資系証券の売買注文動向は7営業日連続の売り越しだったが、日経平均は158.59円高の14068.75円と大幅反発し14000円台に乗せて始まる。しかし始値を抜けない寄り天(寄り付き高値)の時間帯が続き上値が抑えられる。9時46分には大台を割って13994円の安値をつけた。中国市場が上海マイナス、香港プラスで始まっても反応薄で小動き継続。TOPIXの上昇率は小さく、日経平均寄与度が大きいファーストリテイリング<9983>がマイナスで上昇の足を引っ張る状況に変化がみられないまま、前引は14024円だった。

 昼休み、首相官邸で安倍首相と黒田日銀総裁の会談が始まったという第一報が入ると、後場早々に前場の高値を抜き期待感で14096円まで上昇する。しかし追加緩和につながる話は全く聞こえてこないうちにお昼のささいな幕間劇は終わり。午後1時までに株価は元のサヤにおさまった。幕間の後も本日休演に近い状態で、夜の部の「インテル決算待ち」で極端な薄商いの中、2時30分までおおむね14000~14050円のレンジで推移する。その後、14000円割れを起こして13969円まで下げてもすぐ回復するが、前日同様に大引け直前に急落して大台割れし、最後に巻き返しても一歩及ばず終値は86.65円高の13996.81円で3営業日ぶりに反発した。日中値幅は前場の74円に「幕間劇分」を足して127円。TOPIXは+3.33の1136.09で8営業日ぶりのプラスだった。最後の1分の売り買いのパワープレイで売買高は17億株、売買代金は1兆5682億円に増え、今年最少を免れた。

 値上がり銘柄は946で半数を超え、値下がり銘柄は676。値上がり業種は19、値下がり業種は13で、1業種がニュートラル。プラス上位は情報・通信、鉄鋼、パルプ・紙、食料品、ガラス・土石、水産・農林など。マイナス下位は海運、その他金融、鉱業、電気・ガス、サービス、陸運などだった。

 日経平均採用225種は値上がり146銘柄、値下がり72銘柄。プラス寄与度1位はソフトバンク<9984>で+26円。NASDAQはさえなかったが228円高と大幅上昇した。2位は京セラ<6971>で+5円。3位はKDDI<9433>の+5円で、ソフトバンク、130円高のNTT<9432>とともに情報・通信セクターを業種別騰落率1位に押し上げた。マイナス寄与度1位はファーストリテイリングで-5円。2位はクレディセゾン<8253>で-3円、3位はオリンパス<7733>で-2円だった。

 メガバンクはみずほ<8411>1円高、三菱UFJ<8306>9円高、三井住友FG<8316>6円高。証券セクターは野村HD<8604>1円高、大和証券G<8601>3円高と小幅高で、悪すぎた前日までの下げをほとんど取り返せない。23日に東証1部に上場する西武HD<9024>の公開価格は仮条件上限ではなく下限の1600円に決まった。