動画広告市場が活況を呈している。2012年4月にGoogleが「動画広告向けAdWords」を開始。全世界で毎月8億人が視聴するYouTubeでの動画広告の裾野が広がった。今年4月10日から、新たにドワンゴとニワンゴが、両社が運営するニコニコ動画での再生前動画広告の発売をスタートさせた。SNSやツイッターでも、グリーによるスマートフォン向け動画広告や広告入り動画ツイートなどが展開されている。
世界最大規模を誇るYouTubeでの動画広告のメリットはなんといっても利用者数の多さだろう。GoogleはYouTubeでの動画広告について、「言ってみれば毎日オリンピックで広告宣伝しているようなもの」と豪語する。
動画広告向けAdWordsの特徴は、AdWordsと同じ管理画面より動画広告の作成・管理が行えて、料金はユーザーが広告を視聴した場合にのみ発生するなど、視聴に応じた料金体系になっている点だ。さらに、アカウントの作成から初めての動画プロモーションまで5分とかからない手軽さもウリ。
また広範なターゲット設定により、ターゲットしたいユーザー層に的確にリーチすることが可能となるほか、最後まで動画を見たユーザー、ウェブサイトを訪れたユーザー、チャンネルに留まって他の動画を見たユーザー、動画を見た後にチャンネル登録したユーザーそれぞれについての数がわかるなど、費用対効果が測定できる。
YouTubeと並んで動画配信サイトの利用者をシェアしているニコニコ動画の再生前動画広告は、ユーザーが動画を視聴する際、再生前に一定の割合で動画広告が表示される商品だ。動画広告の表示は5秒後にスキップすることができるほか、プレミアム会員は任意で非表示設定も可能。
また、広告の収益は、niconicoが取り組んでいるクリエイター創作活動支援制度「クリエイター奨励プログラム」に支払う奨励金の原資に追加されるなどが特徴。
シード・プランニングによれば国内のインターネット動画広告市場は、13年は132億円でネット広告市場全体に占める割合は2%だが、17年には640億円と約5倍に拡大し、市場全体の約7%を占めるまでに成長するという。紙媒体の広告が苦戦する中で、ネットの動画広告市場は今後も活況が続きそうだ。(編集担当:横井楓)