【日経平均】平穏な午後は157円高値引けで14500円台回復

2014年04月23日 20:18

 22日のNYダウは65ドル高で、NASDAQは39ポイント高。連休明けのヨーロッパは軒並み高。先進国市場で東京だけが取り残されていた。刺激材料は決算よりはM&Aで、カナダのバリアントがアメリカのアラガンに買収提案し、スイスのノバルティス、英国のグラクソ・スミスクラインにも事業再編のニュースがあり、ファイザー0.45%、メルク0.91%など医薬品株が軒並み上昇した。当のアラガンは15.3%、バリアントは7.5%上昇。好決算の動画配信のネットフリックスは7.0%上昇したが、決算が純利益5%減のマクドナルドは0.4%安。23日朝方の為替レートはドル円が102円台後半、ユーロ円が142円台半ばで、前日夕方と変わらぬ水準だった。

 CME先物清算値は14485円。日経平均は91.64円高の14480.41円で始まり、すぐに14500円台を回復し前日午後1時台の水準に戻った。やはりあの2時台の出来事は夢魔にとりつかれただけだったのか。午前9時30分頃から14400円台後半で推移するが10時台には14500円台に戻り10時6分に14533円まで上昇する。その10時台に関門2つ。第1の関門は10時30分発表のオーストラリアの1~3月の消費者物価指数(CPI)。2.9の上昇で3%を超えるとみていた市場予測より低く、豪ドルは急落したが日経平均は反応薄でまず通過。第2の関門は10時45分発表の中国の4月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値。48.3で3月確定値の48.0から改善し市場予測と全く同じだったため日経平均はこれまた反応薄で無事通過。上海、香港市場の序盤のマイナスも問題にならない。ところが為替のドル円が前場を通じてジリジリ下げ続けたため11時前には14500円を割り込む。11時22分には14460円まで下げて、前引は14470円だった。

 後場は前引の水準を上回って14500円に何度もタッチする堅調な展開。前日、前々日のような後場の不可思議な急落は起こらず、為替レートも落ち着いていた。平穏なうちに時間が経過し午後2時45分頃から14500円台に安定的に乗せ、大引け直前にはさらに上昇をみせて157.50円高の14546.27円で高値引け大幅反発。日中値幅は87円と小さく、急落、安値引けの前日とは大違い。TOPIXは+11.31の1173.81。売買高は17億株、売買代金は1兆5436億円と上向かなかった。

 値上がり銘柄は全体の72%の1301、値下がり銘柄は361。32業種が上昇し、下落したのは鉱業1業種のみ。プラス上位はその他金融、ゴム製品、非鉄金属、空運、情報・通信、サービスなど。プラス下位は電気・ガス、繊維、鉄鋼、保険、ガラス・土石などだった。

 日経平均採用225種の値上がりは183銘柄、値下がりは35銘柄。プラス寄与度1~4位は「日経平均寄与度四天王」が揃い踏みして合計寄与度は+49円。マイナス寄与度1位はアサヒGHD<2502>で-2円、2位は積水ハウス<1928>で-1円だった。

 みずほ<8411>は値動きなしだったが、三菱UFJ<8306>は14円高、三井住友FG<8316>は44円高と順調。りそな<8308>はアインホーン氏率いる有力ヘッジファンド、グリーンライトキャピタルが大量保有したと伝えられ12円高、売買高10位と買われた。野村HD<8604>は8円高だったが、ジャフコ<8595>は3月期の経常利益が3.1倍でも180円安で値下がり率5位。野村系のVCだが野村證券は身内にも容赦なく目標株価を引き下げた。前々日は軒並み高、前日は反落した「ノンバンクの逆襲」でその他金融セクターは業種別騰落率トップ。売買高1位、売買代金2位のアイフル<8515>は24円高で値上がり率8位、売買高6位のオリコ<8585>は10円高、売買高9位のアコム<8572>は37円高で値上がり率2位だった。

 トヨタ<7203>は前場から逆行安で9円安。三菱UFJ証券がレーティング、目標株価を下げたため。しかしマツダ<7261>は18円高で約4%上昇。ホンダ<7267>は48円高と堅調。自動車部品のデンソー<6902>は110円高、タイヤのブリヂストン<5108>は92円高と好調だった。電機大手はソニー<6758>は20円高、NEC<6701>は10円高、パナソニック<6752>は19円高。通期業績上方修正と復配を発表した照明灯の岩崎電気<6924>は22円高で値上がり率4位。クラリオン<6796>は3月期の営業利益見通しを15億円上方修正して12円高で年初来高値を更新し値上がり率14位、日本航空電子工業<6807>はシティGが新規に「1」の好レーティングをつけ93円高だった。

 ゼンリン<9474>は3月期業績見通しを上方修正し84円高で値上がり率5位。キヤノンマーケティングジャパン<8060>は1~3月期の営業利益が22.9倍と絶好調で純利益は黒字転換し78 円高で年初来高値更新。野村證券は「バイ」継続、バークレイズも目標株価を引き上げた。シマノ<7309>は1~3月期の純利益が30%増で通期見通しを上方修正し390円高。昭和シェル石油<5002>は、子会社のソーラーフロンティアがアメリカに工場を建設し2017年にも低コストの太陽光発電パネルの量産を開始するというニュースがあり37円高だった。