2日、総務省が発表した3月の家計調査によれば、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)あたりの実質消費支出が前年同月比7.2%アップという高い伸び率であったことが分かった。消費増税前の駆け込み需要により、大型家電などの高額商品から日持ちする食料品や日用品の買いだめなど、幅広い分野に対する支出が増加したことが影響したとみられている。
こうして消費支出が増加するのは2ヶ月ぶりのことで、7.2%アップとういう伸長は、1975年3月以来の高さである。季節調整済み全世帯消費支出は前月比10.8%アップで、勤労者世帯の実収入は実質で前年比3.3%ダウンという結果であった。
1世帯当たりの消費支出は34万5443円で、前年同月比7.2%アップという伸長は、第1次石油ショック後の反動増があった75年3月の8.8%アップ以来、39年ぶりの高水準である。また消費税導入前の89年3月の6.3%アップ、また前回の消費税増税が行われた97年3月の5.8%アップも上回った。
品目別で見てみると、高額商品である家具や家事用品の伸長率が高く、ベッドは前年同月比の6倍、布団は前年同月比の2.4倍伸びた。そして大型家電に関しても、エアコンが前年同月比の約5倍、冷蔵庫が前年同月比の約4.6倍と大きな伸長をみせた。またテレビに関しては前年同月比57.2%アップという結果であった。
食料品は日持ちする商品を中心に伸びをみせた。米は前年同月比18.5%アップ、しょうゆは前年同月比58.9%アップ、アルコール類は前年同月比35.3%アップという結果であった。
高額商品や食料品以外に消耗品のまとめ買いも起こり、シャンプーは前年同月比72.1%アップ、紙おむつは前年同月比37.5%アップ、洗濯用洗剤は前年同月比69.8%アップという結果であった。また衣類については洋服が前年同月比8.8%アップと、ほかのものと比べると低い伸長率であったものの、消耗品的要素もある下着類に関しては35.6%アップと高い伸びをみせた。そのほか、通学定期代も前年同月と比べて約4倍の伸びをみせた。
総務省は今回の結果に関して、高い伸長率は消費税増税の駆け込み需要による一時的なものであるとし、基調的な動きの変化はないとして基調判断を「このところ持ち直している」で据え置いた。(編集担当:滝川幸平)