高校生のスマートフォン・アプリの利用とネット依存に関する調査結果によると、ソーシャルメディアに書き込んだ内容や既読機能など、何らかの“負担”を感じている生徒が6割を占めることがわかった。全体の傾向として依存度は男子より女子の方が高く、LINEやFacebookなどは女子の利用が高く利用時間は男子の約2倍。男子ではGREEやMobageなどゲーム系サービスの利用が多かった。総務省が実施した「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査結果(速報)」で明らかになった。
依存傾向「高」の割合は、男子3.9%、女子5.2%と女子の方が高く、学年別では、1年生5.2%、2年生4.8%、3年生3.7%と低学年の方が高かった。依存傾向「高」の生徒による機器毎のネット利用時間は、スマートフォン/フィーチャーフォンが262.8分と圧倒的に長く、パソコンは91.9分、タブレット端末が25.5分の順となった。
スマートフォン/フィーチャーフォンのサービス毎の利用時間は、「ソーシャルメディアを見る」「ソーシャルメディアに書き込む」がそれぞれ全体では57.2分、32.0分。これを男女別に見ると、男子は37.3分、21.2分であるのに対し、女子はそれぞれ74.4分、41.4分と男子の2倍。他方、「オンラインゲームをする」の平均利用時間は、男子(27.3分)が女子(13.8分)の2倍と、性別によってスマートフォンなどの使い方に差がみられた。
ソーシャルメディアを利用しているのは全体の91.0%とほとんどが利用している。女子(93.4%)の方が男子(88.7%)より利用率が高かった。スマートフォン利用者のソーシャルメディア利用率が97.1%であるのに対し、非利用者では57.6%と大きな差が見られた。
利用するソーシャルメディアはLINE(ライン)がトップで85.5%、Twitter(ツイッター) 66.9%、Facebook(フェイスブック) 24.3%と続き、LINEが他を引き離して高い利用率となっていた。LINE、Facebook、Twitterは女子が男子より利用。GREE(グリー)、Mobage(モバゲー)といったゲーム系のサービスは男子が女子より利用している傾向があった。
ソーシャルメディアを利用する際に悩んだり負担に感じることがあるかどうかについては、全体では「あてはまるものはない」が40.9%で最も多いが、約6割の生徒が負担に感じることがあるという結果が出ている。
負担感の中で多いのは「自分が書いてしまった内容について、後から『あれで良かったか』などと悩む」(27.7%)、「メッセージを読んだことが分かる機能(既読チェックなど)があること」(22.4%)、「友だちとのやりとりをなかなか終わらせられないこと」(17.6%)の順で多かった。
「他者とつながっていたい」という欲求は、一般に女性の方が強い傾向が見られるようだが、思春期では「つながっていないこと」自体に恐怖を感じることすらあるともいえる。とはいえソーシャルメディアへの依存が負担になったり、学業や睡眠時間が削られることになるのは見過ごすことはできない。総務省では6月をめどに調査結果の全体を公表予定だが、正確な実態把握と同時に、必要な施策を業界や教育関係者、保護者などが一体となって取り組む必要があるだろう。(編集担当:横井楓)