若者の通信手段はメールからLINEヘ 総務省が調査結果公表

2014年04月16日 17:30

262_e

ソーシャルメディアはいよいよ、若者だけのものではなく、幅広い世代が日常的に使うものになってきたということになってきた。

 最近は、新しい知り合いから、メールアドレスではなく、LINEのアカウントを聞かれることが、本当に多くなった。特に30代から下の世代には、その傾向が顕著だと筆者は感じていた。それを裏付けるような発表が15日に総務省からあった。

 この「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」は、2013年11月から12月の期間で、全国125地点の13歳から69歳までの1500人を対象に行われた。調査結果を見ると、ソーシャルメディアは全体の57.1%が利用している。世代別にみると10代76.3%、20代91.0%、30代80.8%、40代60.5%、50代36.7%、60代14.3%となっている。利用されるサービスとしては、LINEが44%、グーグルプラス27.3%、フェイスブック26.1%がトップ3である。因に、ツイッターは17.5%、ミクシィは12.3%である。この中で特筆すべきは、フェイスブックが前年比157%、ツイッターが111%の伸びに留まったのに対して、LINEは217%と実に2倍以上増えたことである。因にミクシィは、73%である。なお、グーグルプラスは前年度調査対象になっていない。

 これは昨年の夏、アルバイト店員が悪ふざけでピザ屋のシンクに座った画像をブログに掲載したり等の類似の問題が社会問題化したと関係があるのではないかと筆者は考えている。つまり、一部の若者たちは、ブログ的に使われることの多いフェイスブックやツイッターが開かれた世界である事をこれらの事件でリアルに感じて、ある意味で閉じられた世界である、要するに内輪だけで完結する世界であるLINEにシフトしたという側面もあるのかもしれない。もちろん、それとは別に、スマートフォンやフューチャーフォンの場合、キャリアを変えるとメールアドレスも変更しなくてはならないが、LINEのアカウントはそういった事がないので、その利便性も評価されたのだろう。さらに10代と20代では、ソーシャルメディアの平均利用時間が10代で48.1分、20代で45.1分と、前年のほぼ2倍となりメール利用時間と逆転している。コミュニケーション手段がメールからソーシャルメディアに移行したということである。

 ソーシャルメディアは10代から30代までの利用率が75%を越えており、若年層が中心であることに今も変わりはない。ただし、前回37.1%だった40代の利用率が一気に60%を越えたりと、ソーシャルメディアはいよいよ、若者だけのものではなく、幅広い世代が日常的に使うものになってきたということだろう。そしてこの流れはまだまだ続きそうである。(編集担当:久保田雄城)