就職活動に対する保護者の意識を調べたところ、公務員や専門職の保護者は「同じ職業を目指してほしい」とする回答が6割を超え、会社員や自営業の回答の約2倍となった。また子供の就職先として望ましいのは1位が公務員で、最下位は設立間もないベンチャー企業という結果になった。マイナビが初めて実施した保護者の意識調査で明らかになった。
子供の就職活動への支援内容としては、「資金的な援助」が84.0%と最も高く、一般的になっているようだ。父親も「子供の履歴書やエントリーシートの添削をした」(16.7%)や「自分の知り合いの会社を子供に紹介した」(6.9%)などは母親より高く、社会人経験を活かして子供の就職活動を支援していた。一方、親の過干渉的な行動(「合同企業説明会や面接会場に同行」「キャリアセンターや就職課へ問い合わせの電話」「子供が受ける企業に問い合わせの電話」)を行っている保護者は1~2%程度となり、一部で報道がなされているほど行われてはいなかった。
子供にどのような企業に入って欲しいと思うかについては、「本人の能力・専門性を活かせる会社」が45.2%でトップ、「経営が安定した会社」が44.9%で2番目だった。子供が決めた道を進んで欲しいが、できれば安定している企業に勤めて欲しいという保護者の心境がうかがえる。学生の回答と比べると、保護者が望む項目は学生では割合が低く、替わりに「社風や雰囲気の良い会社」がトップとなり、親子で企業選択基準が異なった。
「子供が希望するのであれば自分(もしくは世帯主)と同じ職業に就いてほしい」という回答は38.4%。保護者の職業が「自営業/SOHO」「会社員/団体職員」の場合は違う職業について欲しい割合が高く、逆に「公務員」や「専門職(医師・看護師・弁護士など)」の場合は「同じ職業を目指して欲しい」割合が6割を超えた。
将来、子供が海外で働く事を望まない割合は42.9%と高く、グローバル人材の育成が叫ばれる中、親は子供が海外で働く事をあまり望んではいないようだ。
子供がどのような就職先を望めば賛成するかをまとめると、その順位は「公務員>有名企業>大企業>中小企業>ベンチャー企業」だった。公務員に対する保護者のイメージは今も昔も変わらず良いようだ。「設立間もない ベンチャー企業」は27.9%の保護者が反対しており、警戒心が高かった。
子供の教育資金の準備では「自己資金」が70.5%ともっと多く、次いで「学資保険」が47.9%。また「奨学金(給付型)」が6.5%、「奨学金(貸与型)」が27.0%、「子供が自身で稼いだお金」が2.5%と、およそ3割(29.5%)の子供が一部もしくは全ての教育資金を自ら負担していた。(編集担当:横井楓)