就職氷河期の終わりが見えて来た。株式会社リクルートホールディングスの調査では、来春2015年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.61倍と、前年の1.28倍より+0.33ポイントと大幅に上昇した。
この調査は同社の人と組織に関する研究機関・リクルートワークス研究所で、1984年から大卒求人倍率を算出しているもの。調査対象は従業員規模5人以上の全国の民間企業7063社、調査項目は15年3月卒業予定者の採用予定数、調査期間は14年2月12日~3月6日、回収社数は4607社(回収率65.2%)、回収方法は電話・FAXにて。そして今回調査結果がまとまり発表した。
その結果、来春15年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.61倍と、前年の1.28倍より+0.33ポイントと大幅に上昇した。全国の民間企業の求人総数は、前年の54.4万人から68.3万人へと13.9万人増加した(対前年増減率は25.6%増)。一方、学生の民間企業就職希望者数は、前年42.6万人とほぼ同じ水準の42.3万人であった(対前年増減率0.6%減)としている。
従業員規模別に、求人数の対前年増減率を見ると、300人未満企業では44.5%増(前年は1.4%減)である一方、5000人以上企業では5.0%増(前年は5.4%減)にとどまる。中小企業においても業績の回復基調が見られることと、これまで採用を抑制していたことの反動により採用意欲が高まっているという。また、300人未満企業において、新卒採用の実施企業割合は前年の10.1%から14.3%まで上昇しており、前年は新卒採用を実施しなかったが今年に入り実施予定のある企業が少なからず見られるとした。
求人数の対前年増減率を業種別に見ると、建設業の38.0%を増筆頭に、製造業24.9%、サービス・情報業23.9%増、流通業23.5%増、金融業18.4%増とすべての業種で2ケタの伸びを示している。
また、正規社員の中途採用において必要な人数を確保できなかった企業割合は、建設業において54.0%、サービス・情報業において40.0%にのぼり、これらの業種では中途採用でも採用難が続いているという。一部の企業は中途採用で採用が難しいため新卒採用を実施する企業が見られるが、新卒採用においても求人倍率の高さから採用難が予想されるとしている。(編集担当:慶尾六郎)