5日はオーストラリアの4月の貿易収支、中国のHSBCサービス業購買担当者景気指数(PMI)、ドイツの4月の製造業受注、ユーロ圏の4月の小売売上高。6日はドイツの4月の鉱工業生産指数、経常収支、英国の4月の貿易収支、アメリカの5月の雇用統計(失業率、非農業部門雇用者数)、4月の消費者信用残高。8日は中国の5月の貿易収支が、それぞれ発表される。
2~6日にアップルがサンフランシスコで世界開発者会議を開く。3日はオーストラリア準備銀行理事会、インド準備銀行金融政策決定会合が開かれる。シリアの大統領選挙の投票日の予定。4~5日にベルギーのブリュッセルでG7首脳会議が開かれる。ロシアのソチで開催予定だったG8サミットの代わりで、制裁中のロシアのプーチン大統領は招かれない。40回目で欧州連合(EU)がホスト役になり、EUのファンロンパイ大統領、バローゾ委員長も討議に参加する。
4~5日にイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会が開かれる。4日にアメリカの「ベージュブック(地区連銀経済報告)」が発表される。4日は韓国では統一地方選挙の投票日で休日扱い。5日にフランスのオランド大統領とロシアのプーチン大統領がパリで会談し、G7サミットの結果をふまえてウクライナ情勢について話し合う予定。5日はECB(欧州中央銀行)の定例理事会が開かれ、終了後にドラギ総裁が記者会見を行う。
アメリカ主要企業の決算は、3日にダラー・ゼネラルが行う予定になっている。
「セル・イン・メイ(Sell in May and go away)」と何度も言われてきた5月の日経平均は、5年ぶりの前月末比プラス、328円高で終えた。今週から6月。6月以降の夏場には「サマーラリー(Summer Rally)」という別の言葉がある。機関投資家の運用担当者も個人投資家も夏の数週間の長期バカンスに出かける前に株を仕入れておくので、NY市場の株価が上昇しやすくなる現象をそう言っている。もちろんバカンスの最中に株価がボロボロ下がっては困るので、手を出すのは下落リスクが小さい優良銘柄に限られる。
日本人の夏休みは数日程度で「真夏のロングバケーション」は夢のまた夢かもしれないが、海外のサマーラリーの恩恵にあずかることはできるはず。都合のいいことに現在のアメリカ経済は景気指標も株価もピークに位置している。投資家の心理を示すシカゴ・オプション取引所(COBE)の「ボラティリティ・インデックス(VIX指数/恐怖指数)」の5月30日の終値は11.40で、最近5年間では最低の水準にまで改善した。リーマンショック当時の2008年10月の最高値89.53は、今となっては天文学的な数字とも思えてくる。現在は投資マインドで言えば「リスクオンMAX」に近い状態と言える。
しかし、投資マインド全体がどんなにリスクオンしても、日本に対してリスクオンするかどうかというと話は別。これは相対的なものなので、他国の投資環境が劇的に改善したらそっちに目が向きがち。今、アジアでは対中国はリスクオフしてしまったが、対インドは総選挙で政権党が交代したので大いにリスクオン。ムンバイ市場のSENSEX指数は4月30日終値は22417.80だったが、総選挙をはさんで5月30日終値は24217.34で、5月だけで9.23%も上昇した。同じ期間の日経平均株価の上昇率は2.29%で、しかもその前は月足が4ヵ月連続マイナスだったから、今、海外の投資家の目にはインドのほうが日本よりも輝いて見えるのは間違いない。期待が先行していて、安倍内閣が発足したばかりの2013年初頭の「アベノミクスの青春」の時期の日本とちょうど同じような状況だ。
それに対抗して海外の投資家を振り向かせるには、日本の良さ、投資の魅力をアピールしてがんばるしかない。折しも今、アメリカの大手機関投資家の関係者が続々と来日して企業訪問や工場、店舗の見学などを行っている。好印象を持って帰って「日本買い」してくれるだろうか?
だから日経平均14000円そこそこでくすぶっているような場合ではない。それがわかっているかのように、日経平均は前々週後半から6日続伸して上昇軌道に乗り、東京市場に投資を呼び込む環境がようやく整ってきた。