4月の消費支出、震災以来の落ち込みとなる

2014年06月02日 08:24

 家庭の消費支出が、東日本大震災の発生した2011年3月以来となる落ち込みをみせた。やはりそれは、4月の消費税増税前の駆け込み需要に伴う反動減による影響だ。

 総務省が30日に発表した4月の家計調査によれば、2人以上の世帯の消費支出は1世帯あたり30万2141円という結果であり、物価変動の影響をのぞいた実質では前年同月比4.6%ダウンであった。これは消費税増税前の駆け込み需要の反動により、消費者の間に消費を控える傾向が発生したためであり、東日本大震災の発生した11年3月の8.2%ダウン以来、3年1ヶ月ぶりの大幅な落ち込みとなった。前月比では13.3%ダウンであり、比較可能な00年2月以来最大の数値となった。また消費税増税後の落ち込みとしては、前回に消費税が引き上げられた1997年4月の1.0%ダウンを大幅に上回った。

 消費支出の内訳を見てみると、洗濯機や洗剤などの「家具・家事用品」が前年同月比18.7%ダウンの7560円。コメや酒などの「食料」が前年同月比6.9%ダウンの6万4942円。「被服及び履物」は前年同月比6.0%ダウンの1万1308円であった。このうち「家具・家事用品」は半年ぶりにマイナスとなった。

 またサラリーマンなどの勤労者世帯の1世帯あたりの消費支出は、前年同月比6.9%ダウンの32万9976円であり、2ヶ月ぶりにマイナスとなった。落ち込みの幅は11年3月の10.5%ダウン以来の大きさとなった。実収入は前年同月比7.1%ダウンの46万3964円であり、こちらの落ち込み幅は03年3月の7.8%ダウン以来の大きさとなった。世帯主収入は前年同月比4.9%ダウンの35万6470円であり、定期収入は前年同月比4.0%ダウンの34万8929円という結果であった。

 総務省は今回の結果に対して基調判断を「このところ持ち直している」と据え置いた。これで14ヶ月連続となる。また先行きに関しては、「消費税増税前の駆け込み需要に伴う反動減の影響がどの程度続くか注視したい」としている。

 こういったことは当然予想された結果ではあったが、しかし景気回復の傾向が見られ始めているなか、反動減の影響が長引くことにより景気の足を引っ張らないかが懸念される。(編集担当:滝川幸平)