東南アジアは、経済成長や人口増加などを背景として、大規模な都市開発やエネルギー、交通、水などの社会インフラに加え、工業団地や資源開発などの産業インフラに対する需要が飛躍的に高まっている。
こうした背景から、様々な分野の企業が東南アジアにおいて生産、エンジニアリング、R&Dなどの拠点(機能)を新設・拡充する動きが加速している。
日立製作所<6501>は30日、アジア市場の変化やニーズの多様化に対応するために、2014年4月1日付でシンガポール共和国にHitachi Infrastructure Systems (Asia) Pte. Ltd.(日立インフラシステムアジア社)を設置すると発表した。新会社設立でインフラシステム事業の東南アジア地域統括拠点としての機能を拡充することで、事業強化を図る。
日立インフラシステムアジア社は、これまで空調設備などのEPC事業を中心に手がけてきたHitachi Plant Technologies (Asia) Pte. Ltd.(日立プラントテクノロジーアジア社)の社名を変更し設置するもの。今後、日立インフラシステムアジア社は、現地主導型の事業を展開するために、東南アジア地域全体の事業・販売戦略の立案・実行や収益責任を担う。
それとともに、インフラシステム社が手掛ける電力・交通・都市インフラ分野向け情報制御ソリューションやエネルギーマネジメントシステムなどの「都市・エネルギーソリューション」、水処理システムや監視制御システムなどの「水・環境ソリューション」、産業プラントや産業分野向け情報制御ソリューションなどの「産業プラント・ソリューション」、UPS、インバーターや圧縮機などの「コンポーネント」と、ビジネス領域を大幅に拡大する。
現在、日立インフラシステムアジア社の従業員は約250名。現地の顧客ニーズに迅速に応えるために、今後も事業拡大に合わせて積極的に現地人財を採用し、現地主導型の事業展開を進めていく方針だ。
今回の件について、日立製作所 執行役常務 インフラシステム社社長の酒井 邦造氏は説明会において「我々は、お客様の経営課題を解決するベストソリューションパートナーになることをめざしています。今回の日立インフラシステムアジア社発足を機に、よりお客様や地域に密着した事業活動をOne Hitachiとなって展開し、シンガポールをはじめ東南アジアの発展に貢献していきたい」と挨拶した。(編集担当:慶尾六郎)