【日経平均】後場エアポケットに巻き込まれたが33円高

2014年06月04日 20:13

 3日のNYダウは21ドル安で4日ぶり反落。NASDAQ総合指数は3ポイント下落し3日続落したが、高値圏の利益確定売りの範囲内。ユーロ圏の4月の失業率は11.7%で小幅低下でもまだまだ2ケタ。その5月の消費者物価指数(HICP)速報値も市場予測を下回ったが、ECBの追加金融緩和には好環境。アメリカの4月の製造業受注は+0.7%で3ヵ月連続増加。5月の新車販売台数は11.4%増と好調持続でGMは1.15%高、フォードは0.67%高だった。アメリカの長期金利が2.6%台を回復し、4日朝方の為替レートはドル円102円台半ば、ユーロ円139円台後半で、前日夕方から円安がさらに進行した。

 シカゴCME先物清算値は15060円。取引開始前の外資系証券の売買注文動向は買い越し。日経平均は33.16円高の15067.41円で始まる。TOPIXは1230台でスタート。しかし寄り天(寄り高)で下落してマイナスに落ち午前9時26分に15018円まで下げる。それでも15000円台の大台は割らずにプラスに戻した。10時30分にオーストラリアの1~3月期国内総生産(GDP)が発表され、前期比1.1%増で市場予測を上回り豪ドルレートが急上昇。しかし上海市場、香港市場がマイナスで始まるとその効果が打ち消され日経平均はたびたびマイナスに。11時台はさらに一段安になり11時9分に一時15000円を割り14998円をつけるが、前引はマイナスながら15028円と底堅く、TOPIXはプラスだった。

 正午すぎから円安に振れ後場はプラスで再開し午後0時32分に15071円の高値をつける。その後も日経平均は前日同様に15050~15070円の狭いレンジで推移し、TOPIXは1230台をキープ。前場に比べて安定した値動きが続いたが、1時40分すぎに突然マイナスまで急落。高値圏ではそんなエアポケットに巻き込まれることがある。最初は軽くすんで15040~15050円で小康を保つが、2時10分頃からもっと大きいエアポケット第2弾に突入。アッと言う間に下落して日経平均はマイナスまで落ちて安値を更新し15000円の大台も割り込む。一気に約55円の急降下で飛行機なら乗客はパニック。前週以来、話がうますぎるからこんなことが起きる。

 14985円でようやく姿勢を立て直し15000円を回復し、TOPIXはプラスに戻ったが日経平均はなかなか戻れない。終盤の2時54分にようやくプラスに乗せるが大引けギリギリまでプラスとマイナスを往復。それでも最後は始値とほぼ同じ33.71円高の15067.96円で引けて3日続伸。日中値幅は86円だった。TOPIXは+5.36の1233.95で2009年以来の10連騰を高値引けで飾った。終盤に商いが盛り上がって売買高は20億株、売買代金は1兆9365億円だった。

 値上がり銘柄は全体の53%の974、値下がり銘柄は656。20業種が上昇し13業種が下落した。プラス上位は保険、鉄鋼、その他金融、情報・通信、空運、医薬品など。マイナス下位はパルプ・紙、不動産、非鉄金属、精密機器、電気・ガス、金属製品などだった。

 日経平均採用225種の値上がりは118銘柄、値下がりは97銘柄。プラス寄与度1位は1007億円のケタ違いの売買があり8日続伸したソフトバンク<9984>で+20円。2位は東京エレクトロン<8035>で+8円。マイナス寄与度1位は5月の国内ユニクロ既存店売上高が+4.1%と7ヵ月連続増のファーストリテイリング<9983>で-26円。2位は住友不動産<8830>で-2円だった。

 メガバンクは三菱UFJ<8306>は2円高だったが、みずほ<8411>は1円安、三井住友FG<8316>は28円安。野村HD<8604>は2円高だった。ノンバンクのアイフル<8515>は25円高で年初来高値を更新し、売買高1位、売買代金2位。自動車大手は5月の中国での販売台数の伸びが揃って鈍化し、トヨタ<7203>は1円安、ホンダ<7267>は18円安だったが富士重工<7270>は51円高、マツダ<7261>は12円高。中国の比重が高い日産<7201>は今期の中国事業の営業利益が35%増で過去最高と報じられて16円高だった。

 富士通<6702>は11円高と続伸し前日に続く年初来高値更新。日立<6501>は金融機関向けビッグデータ解析システムをアメリカ企業と共同開発すると報じられ1円高。東芝<6502>は6円高、前日逆行安のソニー<6758>は18円高と反発。セイコーエプソン<6724>は15円高で年初来高値更新。M&Aに3年間で600億円投資するオムロン<6645>は20円高。NTT<9432>は朝方安かったが終値は36円高で4日続伸した。

 鉄鋼業界はクレディスイスが全体のレーティングを引き上げ業種別騰落率2位。新日鐵住金<5401>は売買高2位、売買代金8位で11円高、神戸製鋼<5406>は売買高4位で3円高と商いを伴って上昇し、JFEHD<5411>は62円高。商社は堅調で、三井物産<8031>は前場から活況で売買代金7位に入り33円高。建設も堅調で大成建設<1801>は売買高11位に入り、16円高で値動きなしをはさんで11日続伸し連日年初来高値更新。ゼネコンではその他、大林組<1802>、清水建設<1803>、鹿島<1812>、西松建設<1820>が年初来高値を更新していた。