週明け2日のNYダウは26ドル高で3日続伸し連日の史上最高値更新。NASDAQ総合指数は5ポイント安。高く始まった直後に発表されたISM製造業景況感指数が前月から低下したためマイナス圏まで下落したが、午前中にサプライ管理協会(ISM)が数値を前月比0.5ポイント増の55.4に訂正すると買い直された。市場予測は55.5。今週サンフランシスコで開発者会議を開催中のアップルは0.69%下落。第一生命<8750>が買収協議中のプロテクティブは11.9%の大幅高。3日朝方の為替レートは、アメリカの長期金利が2.5%台を回復しドル円が102円台前半、ユーロ円が139円台前半と円安が進行した。
シカゴCME先物清算値は15050円。取引時間前の外資系証券の売買注文動向は買い越し。日経平均は153.12円高の15089.04円で始まり、4月4日以来約2ヵ月ぶりに15000円を突破した。TOPIXは1230超え。前日の安倍首相の発言「法人税減税は今月中に改革の方向性を決定する」や、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)運用委員長の米沢康博早大教授が日経新聞のインタビューで、「日本株の基本比率20%のハードルは高すぎるものではないかもしれない」「8月に方針を発表する可能性もある」と、株式の配分増加に前向きな姿勢を示したことも為替の円安、株価の上昇を後押しした。それにしても話がうますぎる。前週からの上がり方があまりにも急なので、始値は25日移動平均線乖離率+5%のライン(15087円)も「+3σ(第3標準偏差)」のラインの15077円もオーバーして、買われすぎ警報発令。
そのため、さすがに「寄り天(寄り高)」で徐々に値を切り下げる。午前10時9分に15091円をつけて高値を更新するが、前場は15044円を底に15000円の大台を保ち、上昇しない。3連休明けの上海市場も香港市場もプラスで始まったが反応薄。11時25分に15026円まで下げたが下落もそこまでで、前引は15049円だった。
後場は変動幅がさらに圧縮し、15040~15080円で推移する膠着状態で「まつすぐな道でさみしい」。午後2時台になると為替がやや円高方向に動き、日経平均も大引け直前に15040円を割り込んで終値は98.33円高の15034.25円で続伸。終値の15000円台も4月4日の15063円以来で約2ヵ月ぶりだった。日中値幅はわずかに65円。TOPIXは+8.12の1228.59で5月22日から9日続伸。売買高は22億株、売買代金は2兆30億円で、今週は商いが増えている。
値上がり銘柄は全体の57%の1035、値下がり銘柄は617。上昇は30業種で下落は3業種。プラス上位は証券、銀行、情報・通信、石油・石炭、水産・農林、電気機器など。下位は化学工業、海運、ゴム製品など。マイナスは鉱業、空運、保険だった。
日経平均採用225種は値上がり160銘柄、値下がり51銘柄。プラス寄与度1~3位は「日経平均寄与度御三家」が揃い踏みし合計+46円で上昇幅の半分近くを占めた。マイナス寄与度1位はテルモ<4543>、2位は日東電工<6988>で、ともに-2円だった。
メガバンク3行、証券大手は揃って上昇。自動車大手のトヨタ<7203>は33円高で売買代金4位、ホンダ<7267>は3円高、日産<7201>は2円高、マツダ<7261>は売買高6位、売買代金10位で9円高だった。電機大手の日立<6501>は売買高、売買代金とも7位と買われ23円高で3.25%上昇と快調。京都大学と共同で高価な金属を使わないリチウムイオン電池を開発したパナソニック<6752>は3円高。ともに高精細の8K映像の即時伝送システムを開発した東芝<6502>は1円高だったが、NTT<9432>は118円高で年初来高値を更新し3日続伸。しかしシャープ<6753>は値動きなしで、ソニー<6758>は11円安と逆行安した。
インドネシアで現地資本と提携し50億円の投資ファンドを設立するソフトバンク<9984>は138円高。MVNOの日本通信<9424>は25円安。モバイル基地局用計測器のアルチザネットワークス<6778>は7月期の営業利益を42%、経常利益を41%それぞれ上方修正し26円高で年初来高値更新。期末配当を無配予想から5年ぶりの5円復配に変えたことも買い材料になった。東京電力<9501>は売買高4位、売買代金8位と買われ27円高で値上がり率14位に入った。