【日経平均】15000円にあと37円まで迫り303円の大幅高

2014年06月02日 20:14

 前週末5月30日のNYダウは18ドル高でS&P500とともに続伸し史上最高値を更新。しかしNASDAQ総合指数は5ポイント安。朝方は個人消費支出が0.1%減、ミシガン大学消費者信頼感指数確定値が81.9でともに市場予測を下回った影響でマイナスで始まり、翌週のECB理事会や雇用統計をにらんだ様子見もあり終盤までもたついたが、取引終了30分ほど前からようやくプラス圏に上昇した。6月2日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が138円台後半で、前週末に比べてユーロが高くなっていた。

 30日のシカゴCME先物清算値は14710円。取引時間前に発表された1~3月期法人企業統計の設備投資額は前年同期比7.4%増で市場予測の5.8%増を上回る高水準。外資系証券の売買注文動向は4日連続の買い越し。国内経済指標だけでなく6月1日発表の中国の物流購入連合会の製造業購買担当者景気指数(PMI)が50.8で5ヵ月ぶりの高水準になったのも追い風で、日経平均は145.13円高の14777.51円と高く始まり、2分後には14800円を突破する。TOPIXも1210超えでスタート。日経平均は「寄り安」で上昇し午前9時台のうちに14860円まで上昇する。為替のドル円が102円、ユーロが139円に迫る円安進行を受け10時台も上昇が続く。上海、香港、台北市場は「端午節」で休場。11時を過ぎると14900円台に乗せて11時6分に14906円まで上がる。前引は14894円だった。

 為替がドル円102円、ユーロ円139円に完全に乗せ、後場は14946円で始まる。午後0時35分に15000円の大台にあと37円に迫る14963円まで上昇するが、その後はずっと14900円台前半で値動きしなくなる。為替の動きも止まった。そのまま大引けになり終値は303.54円高の14935.92円と反発。、2.07%の大幅高には「新成長戦略が発表される6月に入った」という期待感も込められていた模様。日中値幅は186円だった。TOPIXは+19.06の1220.47で8日続伸。売買高は20億株、売買代金は1兆8801億円だった。

 東証1部の値上がり銘柄は1545で全体の85%を占め、値下がり銘柄は186。33業種別騰落率は全セクタープラスで、上位は不動産、非鉄金属、精密機器、倉庫、機械、電気機器など。下位はゴム製品、保険、空運、石油・石炭、卸売、水産・農林などだった。

 日経平均採用225種は値上がり216銘柄、値下がり6銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+34円、2位はNTTドコモ<9437>、KDDI<9433>が先行したスマホ通話料金のかけ放題定額サービスに6月中追随と報じられたソフトバンク<9984>で+15円。マイナス寄与度1位はこの日の主役の第一生命<8750>、2位はゴム製品セクターを業種別騰落率最下位にしたブリヂストン<5108>だったが、ともにマイナス寄与度は1円未満だった。

 メガバンクはみずほ<8411>3円高、三菱UFJ<8306>10円高、三井住友FG<8316>65円高と揃って上昇。「政府がNISA(少額投資非課税制度)の非課税枠を200万円以上に拡大することを検討」と報じられ、証券セクターは野村HD<8604>8円高、大和証券G<8601>19円高と堅調。これは東京市場全体にとっても好材料だった。5月の新車販売台数は1.2%減だったが、為替の円安に反応して自動車大手は大幅高。2014年の国内投資計画が5000億円と報じられたトヨタ<7203>は61円高。ホンダ<7267>は24円高、マツダ<7261>は10円高。

 ソニー<6758>は27円高、シャープ<6753>は4円高、ブラジルで法人需要を開拓と報じられたパナソニック<6752>は29円高。日立<6501>は前期17年ぶりに最高益を更新したが、東芝<6502>は今期25年ぶりに最高益を更新する見通しと報じられた。その東芝がキヤノン<7751>と3次元フラッシュメモリーを共同開発するニュースもあり、キヤノンは22円高で年初来高値更新。日立は24円高、東芝は6円高だった。モルガンスタンレーは村田製作所<6981>のレーティングを引き上げ、日本電産<6594>を引き下げた。村田製作所は477円の大幅高。日本電産<6594>はマイナスの時間もあったが終値は8円高だった。

 NTT<9432>はクレディスイスと大和証券がレーティングを引き上げ81円高で年初来高値更新。国内の風力発電の発電量が2020年度に現在の4倍に拡大する見通しが出て日本風力開発<2766>は15円高。経常利益9.1%減の今期見通しが失望され株価が低迷していた日本トリム<6788>は、SMBC日興証券がレーティングを引き上げるとストップ高の700円高で値上がり率1位になった。