気象庁の発表によると、今年の梅雨入りは、関東地方では例年よりも平均で5日程度早く、近畿、四国、九州などでは逆に、例年よりも5日程度遅い梅雨入りとなった。また、今年はエルニーニョ現象の発生も予測されており、発生すればじめじめとした長梅雨となりそうだ。
梅雨時期は湿度と温度が上がるため、体調を崩す人が多い。熱中症も、真夏だけでなくこの時期に増えるため、関係各機関では注意を呼びかけている。また、梅雨といえば食中毒にも注意が必要だ。岡山県は6月10日、早くも県内全域に食中毒注意報を発令した。中国地方が梅雨入りしたとみられる4日以降、高温多湿の気候が続いていることを受け、昨年よりも8日早い発令となった。今後、他府県でも食中毒注意報の発令される地域が増えてくるだろう。もしも注意報が発令されなかったとしても、秋口まではとくに、各家庭や飲食店でも細心の注意を払いたいものだ。
さらに梅雨時期に注意したいのが、住まいの中で繁殖するカビだ。カビは、温度20~25度、相対湿度80パーセント以上で活発に繁殖するといわれている。温度も湿度も、まさに梅雨時の気候そのものというわけだ。一般的には、湿気の多い浴室の壁や天井、家具の裏やベッドの下などに繁殖が見られるが、エアコンなども手入れを怠れば、すぐにカビの温床となりかねない。クーラーをつけるたびにカビの胞子を室内に撒き散らしているかと思うと恐ろしい。カビの胞子は、1ミリの千分の1以下といわれており、呼肉眼で視認できないから、目視でキレイと思っているだけでは安心できない。しかも、吸と共に簡単に肺の中まで入り込んで、肺炎や気管支喘息、アレルギ-性鼻炎の原因にもなることが分かっている。
この時期に最適な、住まいのカビの除去と予防は出来ないものか。そこで、住まいの専門家であり、全国で年間約200回、家の「お手入れ講座」を開催しているアキュラホームに住まいのカビ対策のコツを聞いてみた。
まず、カビ対策としては、場所に限らず徹底した「換気」を心がけることが、最も重要だという。除湿機や除湿剤などもいいが、やはり窓を開けて換気をするか、換気扇を徹底的に回すことが効果的なのだそうだ。
たとえば、キッチンの換気扇は調理中だけではなく、炊飯時や洗い物の時にも回す。ガスの燃焼やお湯の使用でも水蒸気が発生してカビ発生の原因になるし、その水蒸気が他の部屋に広がる可能性もあるからだ。また、エアコンに関しては、フィルターのこまめな掃除はもちろんのこと、久しぶりに使うときは、まず窓を開けて送風運転をすれば、カビの胞子を飛ばすことができるという。また、スイッチを切る前に送風運転に切り替えることで、内部を乾燥させることができるらしい。
最初に書いたように、今年の夏はエルニーニョの発生なども予想されていて、長梅雨になりそうな雰囲気。一度発生して壁などに広がってしまうと、掃除もなかなか大変だ。そんな事にならないよう、今から換気を心がけて、早めのカビ対策を心掛けよう。(編集担当:石井絢子)