11日のNYダウは102ドル安で6日ぶり反落。NASDAQは6ポイント安だった。世界銀行が今年の世界経済成長率見通しを3.2%から2.8%に下方修正したのがきっかけだが、それに輪をかけた悪材料が「忘れた頃のティーパーティー」。オバマケアをめぐり連邦議会で意地を張り通し、S&Pがアメリカ経済に240億ドルの損失をもたらしたと試算する昨年10月の16日間の政府機関閉鎖の元凶だった政治勢力が、秋の中間選挙のバージニア州予備選挙で共和党の顔、カンター下院院内総務を敗北させた。ニュージーランド準備銀行の利上げの影響もあり、12日朝方の為替レートはドル円が102円近辺、ユーロ円が138円近辺で円高が進行していた。
シカゴCME先物清算値は14945円。取引時間前に発表された4月の機械受注は3月の+19.1%から激減し-9.1%だったが、市場予測の-10.8%よりも減少幅が小さかった。外資系証券の売買注文動向は買い越し(発表社数が減ったので表示は今週限りで取りやめます)。日経平均は127.33円安の14942.15円で、欧米市場の軟調に円高が重なり15000円の大台を割って始まる。TOPIXも下落し1230を割り込んだ。当初はもみあいだったが、午前9時30分すぎから下落が始まり9時41分に14900円も割り、10時5分に14862円まで下げる。日経平均先物の6月限から9月限へのロールオーバーはかなり進み、メジャーSQ前の先物主導の下落はこれが最後だった。
中国市場は上海も香港もマイナスで始まり、10時30分発表のオーストラリアの雇用統計は悪化した。それでも10時50分すぎに日経平均は再び14900円のラインを越える。11時に5月の東京都区部オフィス空室率が発表され、4月の6.64%からさらに改善し6.52%。11時台の日経平均は徐々に値を戻し、前引は14952円で始値を上回った。
後場は午後0時32分に日経平均は15000円の大台にあと8円の14992円、TOPIXは前日終値まであと0.37に迫るが、その後は徐々に遠ざかる。1時台後半からは、メジャーSQと日銀会合のダブルの様子見なのか日経平均は14950円前後の小動きが延々と続いた。それでも終盤大引けにかけて上昇し、終値は95.95円安の14973.53円で反落。それでも前場の最安値から111円も値を戻していた。日中値幅は130円。TOPIXも-1.32の1237.75と反落した。売買高は21億株、売買代金は1兆8596億円とやや多めだった。
値上がり銘柄は全体の37%の672、値下がり銘柄は994。業種別騰落率は12対21でマイナスが優勢。上昇業種上位は証券、ガラス・土石、石油・石炭、銀行、鉱業、海運など。下落業種下位は不動産、金属製品、水産・農林、その他金融、空運、保険などだった。
日経平均採用225種の値上がりは73銘柄、値下がりは137銘柄。プラス寄与度1位はKDDI<9433>で+4円、2位はソフトバンク<9984>で+3円。マイナス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で-27円、2位はファナック<6954>で-15円。
3大メガバンクは揃って上昇し銀行セクターは業種別4位。野村HD<8604>は15円高で終値700円台に乗せ証券セクターを業種別トップに押し上げた。アイフル<8515>は18円高で連日年初来高値更新。売買高2位、売買代金1位だった。トヨタ<7203>は大引けギリギリでプラスに浮上し6円高で高値引け。ホンダ<7267>は5円安。東芝<6502>は2円高。中国の家電メーカーと協業拡大と報じられたパナソニック<6752>は2円安。薄型多層基板の特許取得でその名を知られた半導体検査用ソケット大手の山一電機<6941>は、いちよし経研が好意的なレポートを出しストップ高の100円高で値上がり率1位。日東電工<6988>は147円安で値下がり率16位。メジャーSQ前のロールオーバーの割りを食ったとも言える。
三菱重工<7011>は日立<6501>、シーメンスと組みフランスのアルストム社のエネルギー部門の共同買収を提案した。GEと競合する。シティGがレーティングを引き上げ売買高8位、売買代金10位に入り8円高。日立は7円安。「利益100%株主還元」というアングロサクソン型企業統治で話題を集めて1ヵ月たった工作機械のアマダ<6113>は25円高で年初来高値更新。ブルームバーグが「海外勢が注目」と報じ、GPIFが日本株のベンチマークにする新指数「JPX日経400」採用銘柄入りを目指している。