マクドナルドのマックショップ跡地に出来たMac Shop。Apple Store表参道店はキレイで開放的

2014年06月19日 12:19

Apple_Store

表参道ヒルズを上り詰めて伊藤病院を過ぎた場所にオープンしたApple Store表参道。ワンフロアの面積は銀座店の倍ほどとなる。

 2014年6月13日、アップル直営の新しい旗艦店「アップルストア表参道」(Apple Store Omotesando)が表参道伊藤病院の隣、旧ハナエ・モリ・ビルの向かいにオープンした。東京では、銀座店と渋谷店に次ぐ3店舗目となる。

 アップルストア表参道店を見て驚くのが建物のデザインだ。ビルそのもののデザイン・設計から行なった表参道店は、左右と正面の3方向の壁を総ガラス張りにしたうえ、3階建てに相当する高さの1階フロアの構造とした。店内は圧倒的な開放感があり、視界を遮る柱がまったくない。日中は、まるで屋外にいるかのような明るさで、アクリル製の螺旋階段の吹き抜けを通して地下にも陽光が届く。

 総ガラス張りの構造なので、昼間でも夜でも外から店内の様子が手に取るように分かる。表参道に立ち並ぶ高級ブランドショップにありがちな入り口にボディガードが屹立して「顧客を選別する」ような雰囲気はない。

 1階はほぼアップル製品すべてをラインアップするフロア。iPodやMac Book Proに直接触れられる。地下にはアクセサリも幅広くラインナップし、ご質問がある時には、豊富な知識を持つ多くのスペシャリストがわかりやすく説明してくれる。

 アップル製品を新しく購入すると、望めばスタッフがセットアップを手伝ってくれるサービスも。使うため準備は、アップルストアで完璧に仕上げられる。地下では、レベルに合わせた無料のワークショップ、プロ向けアプリケーションのトレーニングが受けられるPro Labs、自分のMacでプロジェクトを進めるためのOne to Oneトレーニング、マンツーマンの技術サポートが受けられるGenius Barなど完璧な布陣と言える。20年以上アップルコンピューターのユーザーである筆者も、Macを我流で使い倒してきたので、再度ここでトレーニングを受けたいと思った。

 これまで国内のアップルストアは、札幌店、仙台店、渋谷店、銀座店、名古屋店、心斎橋店、福岡店の7店舗だった。今回の表参道店は、8年ぶり8店目の直営店。世界では16カ国に400店舗以上のアップルストアが展開されており、そのうち半分以上の255店舗が米国にある。

 アップルストアは2001年5月19日、米国バージニア州マクリーンとカリフォルニア州グレンテールに1・2号店が誕生した。2001年はITバブルが弾け、アメリカは深刻な不況下にあった。が、開店2日間で2店舗合わせて7000人以上が来店し、売上は60万ドル近くなったと言われる。

 その後アップルは続々と店舗数を増やし、2003年11月、日本初のアップルストアである銀座店がオープン。初の海外店舗で73番目のアップルストアである銀座店には、なんと5000人のファンが行列した。

 現在、店舗はトルコ、ブラジルなどワールドワイドで拡大中。アップルの2014年第2四半期の業績発表によると、直営店の売上は52億2700万ドル。2010年以降順調な推移を見せている。

 オープン初日の熱狂的なファンの行列に加わるつもりは全くなかったので、オープン5日後の平日午後、北青山のイベントに出かけたついでに立ち寄った。そして、ふと、ここには以前どんなショップがあったのか考えた。

 「あーっ、そうだマックがあった場所だ。マクドナルドのマックショップがアップルのMacストアに換わったわけだ」と、妙な得心をして帰宅した。つまり、表参道にはマクドナルドは現在無い。(編集担当:吉田恒)