MS、iPad向けの「オフィス」の提供を開始

2014年04月02日 16:33

 米マイクロソフトは主力の業務用ソフト「オフィス」を米アップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)」向けに提供すると27日発表した。アメリカなどの135の地域にて無料で提供される。マイクロソフトとアップルはライバル関係にあるが、マイクロソフトはこうして自社の主力ソフトをiPadに提供することで、収益拡大を図りたい考えだ。

 このiPad向けの「オフィス」は、アップルのアプリケーション販売サイト「App Store(アップルストア)」から無料アプリをダウンロードすることが出来る。アプリには文書作成のワードや表計算のエクセル、そしてプレゼンテーション資料作成のパワーポイントなどが含まれる。また対応言語に日本語は含まれているものの、日本は対象市場である135ヶ国・地域には入っていない。

 そしてiPad向けとして提供される「オフィス」では、資料の閲覧や作成がタッチ操作で簡単に行うことが出来るようになる。ただし文書の閲覧などは無料であるものの、文書作成や編集を行うためには有料のクラウドサービス「オフィス365」の会員にならなければいけない。自宅ユーザー向けの「オフィス365ホーム・プレミアム」は年間費用が100ドルで、企業向けのものは仕様次第により年間費用が60ドルからとなっている。そして App Storeを通じて「オフィス365ホーム・プレミアム」に加入した分に関しては、アップルは30%の報酬を受け取ることになるが、既存の「オフィス365」に関する収入や企業による一括加入などに関しては取り分はない。

 マイクロソフトはこれまでの、ウィンドウズやタブレットのサーフィスを中心としてきた戦略を変更し、様々なプラットフォームでのサービス提供を目指す。

 マイクロソフトは去年、アップルとグーグルのスマートフォン(多機能携帯電話)にて「オフィス」を使用することの出来るサービスの提供を開始していたが、その機能は制限されていた。しかし今回のiPad向けの「オフィス」に関しては、よりパソコン用の「オフィス」に近い機能を備えている。(編集担当:滝川幸平)