このところ、メガソーラーの建設や建設計画の発表が相次いでいる。先日も京セラらによる長崎県の宇和島のメガソーラー建設計画を報じたが、間をあけず富山県富山市でのメガソーラー発電所の建設が発表された。
ソフトバンクグループで自然エネルギー事業などを行う SB エナジー株式会社は、富山県富山市婦中町にメガソーラー発電所「ソフトバンク富山婦中ソーラーパーク」の建設を決定したと発表した。
今回、SBエナジーは株式会社谷作運輸建設工機の所有地約4万9200m2の土地において、出力規模が約2800kW(約2.8MW)、年間予想発電量が一般家庭約 820 世帯分の年間電力消費量に相当する約 267万1000kWh/年の発電を行うメガソーラー発電所を建設し、2014年12月上旬の運転開始を目指す。
また、13日には日本生活協同組合連合会が新電力会社「株式会社 地球クラブ」を2014年6月20日に設立すると発表している。 日本生協連は、再生可能エネルギー普及の一環として、2012 年度より全国 7 カ所の物流施設に太陽光発電設備の設置を進めてきた。今回、さらに再生可能エネルギーの発電と利用を一体的に推進するために、日本生協連の自家需要をまかなうための新電力会社(PPS)として新会社を設立する。
当面、営業エリアは首都圏とし、生協関連施設の使用電力量および事業の適正規模を考慮し、電力日には供給量5.7MW規模から事業を開始するという。
新会社では、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスを用いて発電された電気を、一定の期間・価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた国の制度であるFIT(固定価格買取制度 Feed-in Tariff)で保障された価格で調達電力を仕入れる。このため、100日後、再生可能エネルギー賦課金の交付を受けることで、通常の電力料金での供給が可能となると試算している。
資源エネルギー庁によると、2012年度の我が国の総発電量位占める再生可能エネルギーの割合は1.6%とまだまだ少ないが、2003年度の0.6%から右肩上がりには増加している。この1.6%のうち、太陽光発電は0.4%を占めており、前年度の0.2%の2倍となっている。また、11年度の1.4%から12年度への増加分のほとんどが太陽光発電だ。また、日本政策金融公庫によると、2013年度の農林水産事業の再生可能エネルギー関連融資総額は126億円のうち、太陽光発電が79.3%と大半を占めたという。このように、再生可能エネルギーの中でも、将来性は突出している。
しかし、最大の問題は天候にされるため安定供給の問題だ。また、発電量に対してスケールメリットが効かないことも問題だ。一般家庭での導入に関しては、初期費用が数百万円と高額なことが最大のネック。さらには、FIT制度についても、不正問題が発生しており、政府の対応も厳しくなりそうだ。太陽光発電の未来にはまだまだ障害が多い。(編集担当:慶尾六郎)