企業間で取引される金融、保険、運輸、そして情報通信などの価格水準を表したものが企業向けサービス価格指数であり、これは毎月日本銀行によって公表される。その月、企業間で取引されたサービスの価格がどのように推移したかが反映されていることから、経済状況を分析するための一材料とされている。
そして25日、日本銀行が5月の企業向けサービス価格指数(速報値、2010年平均=100)を発表。それによれば、指数は前年同月比3.6%アップの102.5であったことが分かった。3.6%アップという伸び率は、1991年1月の前年同月比3.6%アップ以来、23年4ヶ月ぶりとなる高水準であった。また消費税増税の影響を除くと伸び率は0.9%であり、比較可能な01年1月以来最も高い伸び率となった。
業種別に見てみると、「金融・保険」が前年同月比3.5%アップの104.3、「運輸・郵便」が前年同月比4.6%アップの105.6であった。ただし「運輸・郵便」はこうして高い伸び率をみせたものの、寄与度は前月よりも0.02ポイント下がった。また、そのうち外航貨物輸送は前年同月比2.7%ダウンの111.4。円安影響のはく落が要因とみられる。「広告」は前年同月比5.0%アップの106.8で、そのうち特にテレビ広告が前年同月比8.6%アップ、新聞広告が前年同月比8.9%アップとそれぞれ大きく上昇した。ただし雑誌広告は前年同月比2.0%ダウンの91.1という結果であった。
さらに「情報通信」は前年同月比2.6%アップの100.0で、そのうちソフトウェア開発が前年同月比3.4%アップの100.9という結果であった。「諸サービス」は前年同月比3.8%アップの103.9で、そのうち土木建築サービスが前年同月比7.7%アップの110.8、宿泊サービスが前年同月比8.4%アップの111.7とそれぞれ大きく上昇した。
全体では、調査を行った全147品目のうち、67品目が前年同月比よりもプラスとなり、50品目がマイナスとなった。こうしてプラス品目がマイナス品目を上回るのは、これで8ヶ月連続のこととなる。テレビ広告や新聞広告で高い伸び率をみせた「広告」が、全体を押し上げる形となった。(編集担当:滝川幸平)