【日経平均】薄商いの中、後場は段階的に下落し57円安

2014年07月07日 20:12

 前週末4日のNY市場はアメリカ独立記念日で休場。ヨーロッパ市場は概して軟調だった。7日朝方の為替レートはドル円が102円台前半、ユーロ円が138円台後半で、前週末から少し円高に振れていた。

 「七夕」の日経平均は3.64円安の15433.49円で、TOPIXともども小反落で開始。9時12分にTOPIXをマイナスに置いたまま日経平均はプラスに浮上する。しばらくもみあった後、9時30分すぎからTOPIXのプラス浮上と相前後して上値を試す展開。相変わらず底堅い。9時49分に15477円でピークをつけるが、10時を回る頃には15450円を割り込むまで下落しTOPIXはマイナスになる。日経平均も一度マイナスにタッチするが、その後は15450円近辺の小幅高の水準で推移する。上海が安く始まっても香港はプラスで反応薄。テーマ銘柄や直近IPO銘柄が買われても手がかりに乏しく迷走気味で、前引けはマイナスに落ちて15429円だった。

 後場はマイナスで始まる。午後0時台はプラスの時間帯があったが、1時台までおおむね15410~15430円の小幅安で推移。しかし、円高方向の為替の動きがなかなか止まらず、1時50分頃から急落し1時59分に15391円まで下げる。もっとも下落幅は20円程度。2時に5月の景気動向指数速報値が発表され一致指数は4月と同じで、先行指数は4月から0.8ポイント下落した。2時10分に15388円まで下げた後は15390円台でくすぶり、終盤は15400円前後で小動きしたが、大引け間際に20円を超える下落を喫し安値引け。終値は57.69円安の15379.44円と反落した。4日に宮崎駿監督の映画「もののけ姫」のテレビ放映があり「ジブリの呪い」のアノマリーがまた的中した。日中値幅は98円。TOPIXは-5.37の1279.87。東証1部の売買高は16億株、売買代金は1兆4137億円で、アメリカが3連休中でもあり薄商いのまま終了した。

 東証1部の値上がり銘柄は624、値下がり銘柄は1025で全体の56%。33業種別騰落率は4業種が上昇、29業種が下落。プラスはその他製造、証券、電気・ガス、保険。マイナス幅が小さい業種は建設、陸運など。大きい業種は鉱業、その他金融、石油・石炭、卸売、パルプ・紙、化学工業などだった。

 日経平均採用225種は値上がり53銘柄、値下がり151銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+6円、2位はアサヒGHD<2502>で+1円。マイナス寄与度1位はKDDI<9433>、2位はソフトバンク<9984>で、ともに-3円だった。

 メガバンクはみずほ<8411>1円安、三菱UFJ<8306>5円安、三井住友FG<8316>27円安と揃って下落。3月にGPIFが日本株を2500億円買い増したニュースがあり証券セクターは業種別騰落率2位と好調。野村HD<8604>は4円高、大和証券G<8601>は1円高で、SBIHD<8473>は6円高と続伸した。ノンバンクは不振だったが、35円安で値下がり率5位でも売買高、売買代金2冠王に返り咲いたアイフル<8515>に代わり、オリコ<8585>が売買高2位、売買代金6位に入って4円高で年初来高値更新と、朝から活発に買われていた。

 日経新聞の7~9月期の「産業天気図予測」(30業種)で予報が曇りから薄日に変わった自動車は、消費増税後の反動減からの回復ペースが速いと評価された。だがトヨタ<7203>は31円安、ホンダ<7267>は7円高、日産<7201>は4円安とまちまち。電機大手のソニー<6758>は10円高だったが、日立<6501>は英国で鉄道関係の技術者を3倍に増やすと報じられても5円安。NEC<6701>も5円安で、TDK<6762>もUBSがレーティングを引き上げ前場は高かったが10円安で終えた。NTTドコモ<9437>も、患者情報を複数の病院間で共有するクラウドサービスを8月に開始すると報じられたが8円安だった。

 三菱重工<7011>はミサイルを製造するアメリカ企業に高性能センサーを供給しているが、政府がその完成品のカタールへの輸出は「防衛装備移転三原則」に抵触せず容認する方針と報じられた。1日に閣議決定された集団的自衛権にからんだ物色も続き1円高で6日続伸。東洋電機製造<6505>は、2015年5月期の純利益が12億円に拡大し前期の約2倍という業績観測記事が出て18円高で年初来高値を更新した。超小型ドリルで世界トップシェアのユニオンツール<6278>は12~5月期の業績が計画を上回り、11月期通期営業利益見通しを25.5億円から28億円に上方修正し35円高。積水化学<4204>は国家資格を持つインフラ技術者を3倍にすると報じられて24円高になった。

 アサヒGHDはプレミアムビールが好調で1~6月期の営業利益が当初予測の370億円から1割増加し過去最高の400億円強に上振れという業績観測で38円高になり年初来高値更新。図書印刷<7913>は10月上場予定のリクルートHD株の保有が好材料視され35円高で年初来高値更新。アスクル<2678>はネット通販サイト「LOHACO」の売上高前期比8割増、経常利益45.2%増で増収増益という通期業績見通しを発表したほか、オフィスに弁当を宅配する「ごちクル」を運営するスターフェスティバルに出資すると発表し308円高で値上がり率7位。野村證券が目標株価を引き上げていた。