【今週の展望】「狭間の週」は決め手を欠いて小動きが続く

2014年07月06日 20:08

 今週、7月第2週(7~11日)は5日間の取引。11日は日経平均オプション取引と日経平均ミニ先物の特別清算指数を算出する「マイナーSQ」の日。9日はブラジルが「護憲革命記念日」(サンパウロ州のみ)、アルゼンチンが「独立記念日」で株式市場は休場する。順当にいけばアルゼンチンはW杯準決勝の日。インドネシアは大統領選挙投票日で臨時休日。11日はタイが仏教行事「三宝節」で休場。聖徳太子の十七条憲法に「篤く三宝を敬え。三宝とは仏と法と僧となり」とある。

 国内の経済指標は8日の景気ウォッチャー調査に注目。6月は消費増税後の反動減からどれぐらい回復したかを確かめたい。7日は5月の景気動向指数、8日は5月の国際収支、6月景気ウォッチャー調査、9日は6月のマネーストック、6月の工作機械受注速報値、10日は6月の国内企業物価指数、5月の第三次産業活動指数、機械受注、6月の東京都心部オフィス空室率、6月の消費動向調査が、それぞれ発表される。

 7~10日に安倍首相がオーストラリアを訪問する。7日に日銀の地域経済報告(さくらレポート)が公表され、日銀支店長会議で黒田総裁が挨拶する。10日は気象庁からエルニーニョ監視速報が発表される。

 主要企業の決算発表は、2月期決算銘柄の3~5月期(第1四半期)決算が続く。7日は壱番屋<7630>、シーヴイエスベイエリア<2687>、シグマ光機<7713>、ヨンドシーHD<8008>、井筒屋<8260>、8日はハニーズ<2792>、クリエイトSDHD<3148>、メディアドゥ<3678>、マニー<7730>、チヨダ<8185>、乃村工藝社<9716>、9日はABCマート<2670>、明光ネットワークジャパン<4668>、東京個別指導学院<4745>、東武ストア<8274>、10日は久光製薬<4530>、オーエスジー<6136>、ファーストリテイリング<9983>、カネコ種苗<1376>、ブロッコリー<2706>、JIN<3046>、ネクステージ<3186>、日本毛織<3201>、ヒトコミュニケーションズ<3654>、MORESCO<5018>、津田駒工業<6217>、東洋電機製造<6505>、千代田インテグレ<6915>、カッパクリエイトHD<7421>、コジマ<7513>、マルエツ<8178>、吉野家HD<9861>、プレナス<9945>、11日はコスモス薬品<3349>、東宝<9602>、パソナG<2168>、サカタのタネ<1377>、ディップ<2379>、ジェイコムHD<2462>、山下医科器械<3022>、ビックカメラ<3048>、住江織物<3501>、ネオス<3627>、三協立山<5932>、コーナン商事<7516>、ガリバーインターナショナル<7599>、島忠<8184>、ライフコーポレーション<8194>、リンガーハット<8200>、ポケットカード<8519>、歌舞伎座<9661>、セントラル警備保障<9740>が発表する。

 今週の新規IPOは1件。10日に鳥貴族<3193>がジャスダックに新規上場する。大阪市が本社があり焼鳥がメインの居酒屋「鳥貴族」をチェーン展開する外食企業で、「焼鳥屋日本一」を目指し関西を地盤に愛知県、首都圏にも進出。公開価格は2800円。

 海外の経済指標は中国のものが3つある。PMIがポジティブサプライズだったので、悪い数字が出ればひと波乱ありそうだ。9日公表のFOMC議事録は初参加のフィッシャー副議長の発言内容に注目が集まりそう。7日はドイツの5月の鉱工業生産、8日はドイツの5月の貿易収支、経常収支、フランスの5月の貿易収支、英国の5月の鉱工業生産、アメリカの5月の消費者信用残高、9日は中国の6月の生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)、10日は中国の6月の貿易収支、フランスの5月の鉱工業生産、6月の消費者物価指数(CPI)、英国の5月の貿易収支、アメリカの5月の卸売在庫、11日はドイツの6月の消費者物価指数(CPI)確報値、アメリカの6月の財政収支が、それぞれ発表される。

 7日はユーロ圏財務相会合、8日はEU財務相理事会が開かれる。9~10日はイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会が開かれ、10日に政策金利が発表される。9日はインドネシアの大統領選挙の投票日。アメリカでは6月17、18日に開かれたFOMCの議事録が公表される。10日は韓国、マレーシア、インドネシア、11日はメキシコの中央銀行が政策金利を発表する。FIFAワールドカップ・ブラジル大会は13日(日本時間14日早朝)に決勝戦が行われて閉幕する。

 アメリカ主要企業の決算は8日にアルコア、11日にウェルズ・ファーゴが発表する予定。4~6月期の決算発表が多くなるのは来週からになる。

 証券取引所という窓のない人工構造物の中では全く感じられないが、外では季節が確実に移り変わっていく。雲が重く垂れ込め、雨がそぼ降る梅雨ももうすぐ明ける。後には真夏の太陽の輝きが待っている。陰から陽へ、静から動へ、アンニュイからヴィヴィッドへ、モノクロームの季節から総天然色の季節へ、生存競争の季節から共生と繁殖の季節への変わり目は、もう間近に迫っている。

 東京市場では4月以降、そんな「季節の変わり目」が3回あった。それは、上がった株価は必ず下がる「ゼロサム・ゲーム」を繰り返していたボックス圏の値動きが上放れし、新しいフェーズに切り替わって元に戻らなくなること。日経平均終値は4月以来、14000円台そこそこの「指定席」からなかなか抜け出せなかったが、5月22日に14042円から14337円に上昇した時が第1回目、6月2日に14632円から14935円に上昇した時が第2回目、そして前週の7月1日に15162円から15326円に上昇した時が第3回目の「季節の変わり目」だった。ただし、7月1日の第3回目はまだ日が浅く、いわば「仮免許」の段階。「元に戻らない」という条件をクリアできたことが確かめられてはじめて、フェーズがこの日で変わったのだと言うことができる。今週は、7月1日で「季節」は本当に変わったのか、それとも変われないままなのかを確認する週になりそうだ。