スマホの普及が5割を越える中、ロート製薬はブルーライトなどによる目へのダメージを軽減する目薬「ロート デジアイ」を新発売する。また、プロモーションキャラクターにはデジタル世代を象徴するバーチャルアイドル初音ミクを起用している。
スマートフォンの普及は目覚しく、内閣府が今年4月に発表した消費動向調査では、スマートフォンの世帯普及率が3月末時点で54・7%となっており、ついに5割を超えたことが明らかになった。また、博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所が6月に発表した「メディア定点調査・2014」レポートの東京地区の調査結果によると、生活者の1日のメディア接触時間は、テレビの156.9分に次いで、携帯・スマホが74.0分、パソコンが69.1分となっている。中には、テレビを見ながら、またはパソコンを利用しながら、スマホでSNSに書き込むなど、複数のメディアを同時並行で利用しているケースも珍しくないという。これらの情勢とともに、液晶画面の見過ぎがもたらす様々な健康被害が問題化している。スマートフォンを覗き込むように見ることで首の骨が異常をきたすストレートネックや、電磁波などの影響もさることながら、今最も深刻且つ注目されているのが、ブルーライトによる目への影響だ。
ブルーライトとは、紫外線に近い波長をもつ短い光のことで、網膜にまで届く強いエネルギーを持つ光であることから、目の疲れや視力への影響が問題視されている。液晶画面のバックライトに使用されているLED(発光ダイオード)から発せられていることから、スマホやタブレット、液晶テレビの普及とともに、社会問題として注目が高まっている。
JINSやZoffなどのメガネブランドもこぞって、ブルーライトを軽減するPCメガネを発売しており、JINSのPCメガネは発売から2年で、販売累計本数300万本を達成するなど、売り上げも好調に推移している。しかし、PCメガネをかけることで、視界が全体的に黄色く見えたり、紙媒体の資料などが読みにくかったりなどといった弊害も多数報告されているようだ。
そんな中、目薬のトップシェアを誇るロート製薬株式会社が、ブルーライト等による目のダメージに効く目薬「ロート デジアイ」を新発売すると発表した。同製品に含まれる有効成分「ネオスチグミンメチル硫酸塩」が毛様体筋に直接働いて目のピント調節機能を改善するほか、角膜の透明性を保ち、細胞の修復などに関与するといわれる「活性型ビタミンB2」も配合されており、ブルーライトでダメージを受けた角膜細胞の修復を促進し、目の疲れや炎症を改善するという。また、その他にも目の充血や炎症に効く有効成分を基準内最大濃度配合している。
ロートでは、バーチャルアイドル「初音ミク」をプロモーションキャラクターに起用し、書き下ろしのコラボオリジナルパッケージを採用しているだけでなく、初音ミクが歌う「ロート デジアイ」オリジナル楽曲の製作や、ロート目薬史上初のARライブを開催するなど、若いスマホ・PC世代に向けたプロモーションを予定している。
一番のケアは、スマホやパソコンなどの液晶画面と向き合う時間を減らすことだ。様々な研究からみると、目への影響も、睡眠障害なども、1日3時間のブルーライトを浴びることが一つのボーダーラインと考えられていることが多いようだ。しかし、スマホだけなら1日3時間以内におさえられても、仕事でパソコンを使っていたり、自宅でテレビを見たりすると3時間なんてすぐに経ってしまうだろう。それならばせめて、目薬でこまめなブルーライト対策を心掛けたいものだ。(編集担当:藤原伊織)