W杯で印象づけた日本のいいもの 青いゴミ袋と焼酎

2014年07月12日 13:22

画像 W杯で印象づけた日本のいいもの青いゴミ袋と焼酎

W杯で日本は予選リーグ最下位で終わるという信じられない結果となったが、日本の良さを世界中に発信する機会にもなった。青いゴミ袋を手にして試合会場のゴミ拾いをする日本人サポーターたちに、称賛の声が集まり、日本の文化でもある焼酎もブラジルで好評を得た。

 混戦続きだったブラジル・ワールドカップ。日本が予選リーグ最下位で終わるという信じられない結果となったが、前回の世界王者スペインもオランダに1‐5で敗れ、さらに早期にアジア勢が全チーム敗退するなど、先が読めない試合展開となった。

 ワールドカップにおいては早々の撤退という形になった日本だが、ブラジルや世界に対して日本の「いいもの」を十分に印象づけていった。

 試合中から日本の観客たちが手にしていたのは青いゴミ袋。持参を呼びかけたのはサポーターグループなどだ。現地でも直接配布するなどして観客に行き渡らせ、観戦の際に風船のようにふくらませて、ザックジャパンの応援を盛り上げた。また急な雨に見舞われても、簡易のカッパ代わりに使えるため、使用者にはたいへん好評を得ている。この青いゴミ袋を使って、試合後にゴミを拾い集める日本人観戦客の姿が世界に報じられた。ブラジル地元紙フォーリャ・デ・サンパウロ(電子版)は「礼儀正しさで高得点を挙げた」と報じ、読者の反応の中には「市民の模範」「得点は1億点」と言う声もあった。イギリスや韓国、中国でも高く評価され、日本のよさについて世界中が改めて認識を深めるということとなった。

 そしてもうひとつが焼酎である。W杯開催に合わせて元日本代表の中田英寿氏が、ブラジルサンパウロにて「ナカタドットネットカフェ」を開いた。日本人観戦客の寄りどころとして情報発信しながら、世界中から集まるサッカーファンたちに向けて、14種類の日本酒と焼酎を用意し、食を通して日本文化の浸透を図った。焼酎を提供した長崎県壱岐市の重家酒造は、現地の酒店から数件の取引依頼を受け、焼酎の販路拡大に確かな手ごたえを実感している。焼酎は、ブラジルで親しまれている蒸留酒よりもアルコール度数が低く、のみやすさがある。香り高くまろやかな味わいが現地の人の口に合い、好評を得ているようだ。(編集担当:久保田雄城)