観光立国推進閣僚会議の第四回が6月17日に開催され、「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」が決定した。東京五輪を踏まえ、昨年6月のアクション・プログラムを改定した。安倍総理は進捗管理をはかって、毎年見直しをしながら取り組む方針を示した。このプログラムは2020年オリンピック・パラリンピックを見据えた観光振興、インバウンドの飛躍的拡大に向けた取組み、ビザ要件の緩和など訪日旅行の容易化、世界に通用する魅力ある観光地域づくり、外国人旅行者の受入環境整備、MICE (会議・研修・セミナー)の誘致・開催促進と外国人ビジネス客の取り込みの6つの柱から構成されている。
この中でも、世界に通用する魅力ある観光地域づくりに注目したい。地域連携や広域連携、道の駅などの情報発信力強化と新たな広域周遊ルートの形成、ストーリー性やテーマ性に富んだルートの開発などがアクション・プログラムとして記載されているが、その中で、自転車の利用環境の向上と改善を図ることも含まれている。具体的には自転車で通行する空間を整備し、自転車用のマップの作成・配布することが明記されている。また、レンタサイクルの利用促進のために様々な要件を緩和するとも明記されている。自転車についてはこれだけしか言及されていないが、それでもアクション・プログラムに明記されたことで確実に実現されることであろう。
ニューヨーク市のシティバイク(citibike:シティバンクのCSR事業)など世界各地で自転車貸出システムが盛んになっている。自転車に乗る場所と降りる場所が違っても利用できるのが特徴だ。現在ワールドカップが開催されているリオデジャネイロ市に筆者の友人が滞在しているのだが、たくさんの場所に自転車貸出ステーションが置かれているという。実際リオのコパカパーナ海岸の砂浜から細い路地裏まで観光客が颯爽と走っているようだ。日本でもこのシステムが導入されれば観光客が日本の情緒あふれる情景に触れられるだろう。(編集担当:久保田雄城)