FIFAはカタール大会招致決定についての疑惑に真摯に答えるべきだ

2014年06月21日 10:43

 サッカーワールドカップがブラジルで行われている。この大会をプロデュースするのが国際サッカー連盟、(FIFA)である。スイスに拠点を置くスポーツにおける世界最大の競技団体だ。このFIFAがワールドカップ直前から、ある疑惑をもたれるようになった。それは2022年のカタールでのワールドカップ開催決定において、不正があったという嫌疑だ。22年のワールドカップの開催選考は、カタール、アメリカ、韓国、日本、オーストラリアが立候補し、10年2月に投票の結果、カタールに22年の開催地が決定した。

 フランス・フットボール誌の記事によると、カタールは招致費用として3,375万ドル(約30億円)をかけ、招致のために有名選手に対して報酬を支払うなどをして招致活動を展開。この決定は国際サッカー連盟理事22人による投票によって決定するため、票集めのために、賄賂をアフリカ連盟などに支払ったという。だが、この疑惑をFIFAは否定している。この件に関しては現在調査が行われており、不正が明確になった場合は開催地の変更もある模様だ。ワールドカップ開催がもたらす効果は絶大だ。その経済的利益は絶大になる。国家的アピールにもなる。そのため、ワールドカップは多くの利害が絡む。それ故、この様な疑惑が浮上するのだろう。調査結果がどうなるのかは、もちろんわからないが、FIFAは疑惑に対して真摯に受け取め、答える必要があるのは言うまでもないだろう。

 FIFAの下部組織にあたるアジアサッカー連盟に所属する日本サッカー協会は公益財団法人である。公益財団法人とは何か。「学術、技芸、慈善その他の公益に関する事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう」という活動を行うと認定された団体である。日本サッカー協会は今回の疑惑をどう考えているのか。見解や声明は出せないだろうが、内部で改革のための声をあげて何かしら行動する責務は何かしらあるだろうし、そのようなことを望むのは決して筆者だけではないはずだ。(編集担当:久保田雄城)