【日経平均】前場は小幅高、後場は小幅安が続き14円安

2014年07月23日 17:49

 週明け22日のNYダウは61ドル高と反発。NASDAQも31ポイント上昇した。地政学的リスクは、国連がパレスチナ停戦に向けて本腰を入れ、マレーシア機撃墜事件ではブラックボックスを引き渡すなどロシア側の態度が軟化して良い方向。6月の消費者物価指数は0.3%上昇でインフレ懸念で利上げが早まるほどではなく、中古住宅販売件数は2.6%増で市場予測を上回った。テキサス(TI)は好決算でも0.1%下落、ハリバートンは3.2%上昇、純利益1%減のマクドナルドは1.3%下落。23日朝方の為替レートはドル円が101円台半ば、ユーロ円が136円台後半で、ドル安は一服しても、EUとロシアの対立を背景にユーロは安くなっていた。

 CME先物清算値は15355円。日経平均は23.88円高の15367.16円で始まる。TOPIXもプラスでスタート。午前9時30分を回ると一時マイナスになり15341円まで下げ、その後も何度かマイナスに沈んだ時間があったが、おおむね前日終値と15364円の間、+0~+20円のレンジで動く。上海、香港などアジア市場が堅調でも東京市場は小幅高のままで、前引けは15344円でわずか1円余りのプラス。前場の値幅は38円しかなかった。

 後場は小幅高で再開するがすぐマイナスに落ち、午後0時36分に15327円をつけて安値を更新したがそれでも15円安。1時台にプラスに浮上する時間帯もあったが、前場と反対に15330円と前日終値の間の-0円~-15円の小幅安がずっと続く。大引け後の日本電産<6594>の決算や、翌日の中国のHSBCのPMI発表、ファナック<6954>や信越化学<4063>の決算を控えての様子見ムードで値動きは鈍く売買低調。終盤になると少し値を切り下げるが15317円どまりで、終値は14.72円安の15328.56円と小幅反落した。日中値幅は後場拡大したが59円。TOPIXは-0.88の1272.39。売買高は17億株、売買代金は1兆4778億円で薄商いに終始した。

 値上がり銘柄は752、値下がり銘柄は905。業種別騰落率はプラス11業種、ニュートラル1業種、マイナス21業種。値上がり上位はガラス・土石、保険、卸売、化学工業、機械、電気機器など。変わらずは非鉄金属。値下がり下位はその他金融、情報・通信、証券、金属製品、ゴム製品、電気・ガスなどだった。

 日経平均採用225種は値上がり105銘柄、値下がり100銘柄。プラス寄与度1位は信越化学、2位はファナックの決算前日組でともに+1円。マイナス寄与度1位はソフトバンク<9984>で-11円、2位は東京エレクトロン<8035>で-8円だった。

 メガバンクはみずほ<8411>0.5円安、三菱UFJ<8306>0.9円安、三井住友FG<8316>5.5円安と軟調。野村HD<8604>も3.4円安。ノンバンクのオリックス<8591>は、火山や温泉が多い日本で有望な再生可能エネルギーの小型地熱発電設備を5年間に全国に最大15カ所設置すると報じられたが15.5円安。その他金融セクターは業種別騰落率最下位になった。自動車大手はトヨタ<7203>19円高、ホンダ<7267>33.5円安、日産<7201>5円安など高安まちまち。電機大手はおおむね堅調で日立<6501>2.4円高、東芝<6502>1.2円高、三菱電機<6503>17.5円高で年初来高値更新、シャープ<6753>4円高、ソニー<6758>18円高、富士通<6702>5.1円高で年初来高値更新。しかしNEC<6701>は5円安、パナソニック<6752>は2.5円安だった。

 日経新聞によれば電子部品大手6社の4~6月期の受注総額は前年同期比6.5%増で、2013年度の全四半期2ケタ増の勢いがスマホ需要の低迷で鈍化した。各社はTDK<6762>30円高、京セラ<6971>10円高、村田製作所<6981>45円高、アルプス電気<6770>33円高で年初来高値を更新したが、日東電工<6988>は79円安、大引け後に決算発表を控えた日本電産は8円安で明暗が分かれた。

 半導体検査装置のレーザーテック<6920>は6月期通期の営業利益見通しを22.5億円から31億に上方修正し市場予測を上回って51円高。期末配当予想を7円引き上げたのも好感された。メルコ<6676>は4~6月期が減収だったが、純利益が3.3倍の9億円を好感され18円高で年初来高値を更新した。宮越HD<6620>は通期業績見通しの純利益を3.1億円から30億円に上方修正しストップ高の150円高で年初来高値を更新し値上がり率2位。固定資産の一部譲渡で特別利益を計上する。自社株買いも同時発表した。

 建築用ガラスを10~20%値上げする旭硝子<5201>は14円高。ガラス・土石セクターは業種別騰落率トップだった。西松屋チェーン<7545>は7月度(20日締め)の既存店売上高が5.6%減で3カ月連続前年同月度を下回り1円安。日本マクドナルドHD<2702>のチキンナゲットの問題は上海の同じ会社から調達していたファミリーマート<8028>にも飛び火し30円安。テレビ東京HD<9413>は6月の売上高が22.5%増で100円高で年初来高値を更新し値上がり率13位。深夜のグルメ番組の視聴率が好調という。不動産大手は三井不動産<8801>26円高、三菱地所<8802>32.5円安と明暗が分かれた。第一生命<8750>は8円高で売買高13位、売買代金2位と買われていた。