2030年代の原発稼働ゼロを基本に 民主

2014年07月26日 10:03

 民主党の党改革創生会議は「穏健中道の国民政党」を党の理念にとの提言をまとめた。法政大学教授で、同会議議長代行の山口二郎氏は「日本の政治が著しくバランスを欠いている。自民党が著しく右傾化している」と指摘した。

 そのうえで、穏健中道の国民政党を理念にとした理由について「憲法問題や女性の人権を無視した言動など、国家権力を笠に着て強権的な政治を行っている状況で、穏健中道という言葉が対抗軸になる」とした。

 また「(右傾化を強める)人々の不安な思い、安倍政権に対する反発的な思いを受け止めるシンボルになる」と語った。山口氏は「安倍政治に正面から対立する別の選択肢として、自らを国民の前に打ち出してもらいたい」とした。

 創生会議は穏健中道を理念とし、男女共同参画政党として出直すことなどをかかげ、具体的な提案を行った。原発については「安定的で廉価な電力の提供、貿易赤字の解消を原発回帰に求めるのではなく、原発ゼロへ前進することで実現していくべき」とした。

 また原発再稼働については「原子力規制委員会の安全基準に合格することを前提に、立地地域のみならず周辺地域の理解も得た原発に限り認めることはありうる。しかし、その場合も地元自治体が抱えている課題を正面から取り上げ、効率的な安全確保策を実施することを不可欠の条件とする。また設置後40年を経過した原発については原則として再稼働を認めない。原発・エネルギーチームは民主党政権で決定した2030年代原発稼働ゼロ方針を基本に、地域ごとにその特徴と環境を踏まえ、地域住民の声を吸い上げ、その取組を支援する」よう提案した。

 海江田万里代表は「改革の提案をスピーディに実行に移していかねばならない」とし、男女共同参画推進では道府県議会の県庁所在地選挙区では必ず女性候補者を擁立するよう提案しているのを受け「急いでやらなければならない」と来春の統一地方選に擁立できるよう対策を急ぐ考えを示した。(編集担当:森高龍二)