【日経平均】88円高で3日続伸し終値15600円台を回復

2014年07月29日 20:18

 オムロン<6645>はメリルリンチが新規に「買い」のレーティングをつけて185円高。キーエンス<6861>は前日に4~6月期決算を発表。売上高は25%増の729億円、営業利益は35%増の364億円、純利益は33%増の241億円で、どれも4~6月期では4年連続で過去最高益を更新し1340円高で年初来高値更新。欧米、アジアだけでなく国内でも自動車、機械向けセンサー機器の売上が伸びた。野村證券が目標株価を引き上げていた。

 電子部品関連では、村田製作所<6981>は4~6月期の営業利益が1.5倍の360億円という業績観測記事が出て市場予測を上回り39円高。一方、TDKは4~6月期の営業利益が2.3倍の90億円強という業績観測記事が出たが市場予測を下回ったため売られ130円安。「市場予測」という名の〃エンマ帳〃は、決算シーズンのたびに悲喜劇を生む。

 通信大手はNTT<9432>は243円高で年初来高値を更新し売買代金4位。しかしNTTドコモ<9437>は同15位だが20.5円安。KDDIは62円高。ソフトバンク<9984>は28円高。中国の株価指数が年初来高値更新と好調でコマツ<6301>は36.5円高、日立建機<6305>は35円高だった。日本バルカー工業<7995>は「空気マグネシウム電池用正極材」で発電能力3倍の製品を開発したと日経産業新聞が伝え26円高で年初来高値を更新し値上がり率2位。2015年度は10~12億円規模の売上規模を目指す。

 前日の主役のカジノ関連でこの日も買いが続いたのがイチケン<1847>で、18円高で年初来高値を更新し値上がり率8位。一方の値下がり率1位は宮越HD<6620>でストップ安の300円安だった。電気工事のきんでん<1944>は4~6月期の営業利益が12.5%増。94円高で年初来高値を更新し値上がり率4位。独禁法違反で8月9日まで60日間の営業停止処分中だが、それ以前に多くの受注を確保できていたという。

 東燃ゼネラル石油<5012>は1~6月中間期の営業損益見通しを164億円の赤字に下方修正し31円安。日産化学工業<4021>は後場に4~6月期決算を発表し、通期の営業利益見通しを10億円上方修正して115円高で年初来高値を更新し値上がり率10位。機能性材料も農業関連も好調。日清製粉G<2002>は後場に発表した決算が営業利益27%減で市場予測を下回り37円安。同じく後場に決算を発表したヤクルト本社<2267>は4~6月期の営業利益が9.8%上昇し59億円で市場予測を上回ったが、通期見通しを据え置いたために混乱して株価は派手に乱高下。終値は110円高だった。チョコレートの老舗モロゾフ<2217>は13円高で年初来高値更新。低位株の循環物色が回ってきた。

 伊藤忠商事<8001>はベルシステム24に49%出資しビッグデータ利用の新サービスに進出すると報じられ3.5円高。スーパーのマルエツ<8178>は3~8月期の業績が純利益3割増の10億円という観測が出て8円高で年初来高値更新。業績の上方修正も発表された。消費増税後の反動減は心配されたほどではなかったという。東急不動産HD<3289>は大和証券が新規に「2」のレーティングと目標株価1000円をつけて7円高。ANAHD<9202>は羽田発着国際線が貢献して4~6月期決算が10億円の営業黒字の模様と報じられ1.4円高で年初来高値更新。スカイマーク<9204>は国際線進出計画を縮小しA380型機の発注をキャンセルと報じられた。解約交渉がこじれるとエアバス社との間で訴訟に発展しかねず38円安で年初来安値を更新し値下がり率2位。旅客機の調達・運航コストが円安で割高になったという。

 新興市場は、日経ジャスダック平均は0.35%上昇、東証マザーズ指数は2.78%の大幅上昇。ミクシィ<2121>はこの日も売買代金1186億円を伴った580円高で年初来高値を更新し株価を5000円に乗せた。そろそろ次の株式分割の話が出る頃合いか? その株式分割を8月1日に実施するのでこの日は株価が理論上5分の1から始まったサイバーダイン<7779>も317円高と買われた。割安通信関連の日本通信<9424>は後場急上昇し91円高。以上3銘柄は売買代金で東証1部トップのソフトバンクを上回った。ジャスダック上場のカルナバイオ<4572>は「TNIKキナーゼ阻害剤」に係る特許査定通知を特許庁から受領したと発表すると急騰しストップ高の150円。UBIC<2158>はビッグデータ解析など3件の国内特許を取得したと発表して99円高だった。

 この日の主役は「燃料電池車・水素ステーション関連」。前日の日本精線<5659>の「水素発生器を開発」というニュースで、テーマ銘柄の循環物色の流れが前日のカジノ関連から再びこの分野に回ってきた。きっかけをつくった日本精線はストップ高比例配分の100円高で年初来高値を更新し値上がり率1位、オーバル<7727>は26円高で同7位、岩谷産業<8088>は売買高9位、売買代金11位に入り49円高で値上がり率11位、三菱化工機<6331>は18円高だった。(編集担当:寺尾淳)